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便利屋の料金設定|原価から出す時間単価と料金表7ステップ

便利屋の料金設定|原価から出す時間単価と料金表7ステップ

開業したとき、近所の便利屋に料金を合わせて時間単価を決めた。それなのに月末になると、手元にほとんどお金が残っていない――そんな感覚に心当たりはないでしょうか。実は、便利屋の料金設定がうまくいかない原因の多くは、相場に合わせて金額を決めていること自体にあります。なぜなら、移動・見積もり訪問・写真整理・請求書作成といった、請求できていない時間が原価として数えられておらず、1日のうち実際にお金に変わる稼働時間(稼働率)を把握できていないからです。この記事では、原価から時間単価を逆算する7ステップ、料金表に載せる14項目、総額表示・景品表示法・特定商取引法という3つの法令の注意点を、記入式の欄とあわせて整理します。読み終えていただければ、自分の時間単価を1つの数字で言えるようになり、料金表を1枚作れる状態になります。

なお本記事は、便利屋・なんでも屋として独立した事業者が、自分の料金を決めるための記事です。依頼者(お客様)向けの料金相場は扱いませんので、あらかじめご了承ください。

目次

結論|便利屋の料金設定は「相場合わせ」ではなく原価からの逆算で決める

便利屋の料金設定は、相場に合わせるのではなく、必要な年間売上を請求できる時間で割って決めます。

料金は「相場」ではなく「残る金額」で決まる

近所と同じくらいの時間単価に合わせて、独立時の料金を決める――この進め方は珍しくありません。悪いことではありません。ただ、この決め方には抜けている前提があります。それは「自分の原価がいくらか」を計算していないという点です。

相場に合わせて決めた金額は、他の誰かの経費構造・稼働時間・車両・保険の下で成り立った数字であって、あなたの数字ではありません。売上は立っているのに月末に手元がほとんど残らない、というときは、たいてい相場合わせが原因です。

なお、近隣の相場は「これ以上だと依頼が入りにくくなる」という上限を確認する材料にはなりますが、料金を決める基準にはしません。本記事では、原価からの逆算を基準に、相場はあくまで上限確認の参考情報として位置づけます。

この記事で作る成果物(時間単価・料金表・文例)

この記事を読み終えると、次の3つが手元に残ります。

  1. 原価から逆算した、自分の時間単価という1つの数字
  2. 料金表に載せる項目を過不足なく揃えたチェックリスト
  3. 値引き要求への返し方・断り方の文例

便利屋の料金設定を作る7ステップ

料金表という成果物は、次の7ステップで組み立てます。

  1. 受ける作業を棚卸しする
  2. 料金体系を4つの型から選ぶ
  3. 時間単価を原価から逆算する
  4. 最低受注額と最低作業時間を決める
  5. 加算費用と除外条件を設計する
  6. 表示のルールに合わせて書く
  7. 見積書の書式を整える

以下、順に見ていきます。

便利屋の料金設定を始める前に決める3つの前提

対応エリア・受けない作業・使える時間の3つを、金額の計算より先に固定しておきます。

この3つは、どれも後の計算式に直接入ってくる数字です。対応エリアは出張費の距離区分と1日に回れる件数を決め、受けない作業は料金表の「除外条件」の欄になり、使える時間は時間単価を割り出すときの分母になります。ここが曖昧なまま単価だけ決めても、現場でぶれます。

対応エリアの範囲(車で何分までか)

対応エリアが決まっていないと、出張費の線引きも、1日に何件回れるかの見積もりもできません。「車で30分圏内」のように、時間で区切っておくと後の計算がしやすくなります。

受けない作業を先に決める

許認可が必要な作業や、事故のリスクが高い作業をあらかじめ除いておきます。何を受けないかが決まっていないと、料金表の「除外条件」の欄が書けません。

1日に使える時間と、休む日

体力仕事である以上、稼働できる時間には上限があります。この上限を先に決めておくことが、次のステップの「時間単価」の計算で必要になります。

便利屋の料金表を作る7ステップを上から順に示したフローチャート
料金表は7ステップの順に決めていく

ステップ1|便利屋が受ける作業を棚卸しする(許認可が要る作業は料金表に載せない)

料金表を作る最初の一歩は、請け負える作業と、その所要時間・道具をすべて書き出すことです。

書き出す単位は、お客様が依頼として口にする言葉に合わせます。「草を刈ってほしい」「棚を組み立ててほしい」といった言い方をそのまま作業名にしておくと、後で料金表の項目名としてそのまま使えます。開業全体の流れは便利屋で独立・開業するには?資格・費用・年収と失敗しない始め方にまとめています。副業として時間を区切って始める場合は便利屋 副業の始め方|会社員が土日だけで始める7ステップも、使える時間と単価の関係を考える参考になります。

メニュー候補の書き出し方(作業名・所要時間・必要な道具)

作業名、だいたいの所要時間、必要な道具の3点をセットで書き出します。この作業一覧が、後の料金表の「メニュー」欄の元になります。料金表に載せる例を考えるときは、資格や許可が必要な作業に該当しないことを先に確認したうえで、金額を検討してください。

許可・届出の要否を確認してから載せる

不用品の買取や、特定の作業には許可・届出が必要になる場合があります。料金表に載せる前に、必ず要否を確認してください。詳しい確認手順は以下の記事にまとめています。

ステップ2|便利屋の料金体系を4つの型から選ぶ

便利屋の料金体系は、時間制・作業ごとの定額・パック・個別見積もりの4つの型に分かれます。

料金体系は、次の4つの型に整理できます。

  1. 時間制
  2. 作業ごとの定額
  3. パック・セット
  4. 個別見積もり

以下、それぞれを見ていきます。

型1 時間制(作業量が読めない作業に向く)

現場に行ってみないと量が分からない作業(整理・片付けなど)に向きます。30分単位・1時間単位で区切り、延長分を加算します。料金表への書き方の例は「1時間あたりの単価(記入欄)、以降30分ごとの延長単価(記入欄)」のように、金額を入れる欄をそのまま示す形にします。

型2 作業ごとの定額(作業量が読める作業に向く)

「網戸の張り替え1枚」のように、作業内容がほぼ一定で読める場合に向きます。資格や届出が必要な作業に該当しないことを確認したうえで設定してください。依頼者にとって金額が事前に分かる安心感があります。書き方の例は「作業名+一式(記入欄)」です。

型3 パック・セット(複数作業をまとめる)

複数の作業をまとめて1つの価格にする型です。単品より依頼者の判断コストが下がり、1件あたりの単価も安定します。書き方の例は「パック名+セット価格(記入欄・内訳を注記)」です。

型4 個別見積もり(現場条件で大きく動く作業)

現場の状態によって作業量が大きく変わる作業(大量の不用品・特殊な搬出経路など)は、現地を見てから見積もる型にします。

混ぜるときの線引き(どこまで定額、どこから見積もりか)

この4つの型を1つだけで運用せず、組み合わせる考え方もあります。「基本の作業はパック料金、追加や特殊な条件は見積もり」のように、線引きを先に決めておくと現場での判断が速くなります。

比較表(向く作業・事業者が負うリスク・料金表への書き方)

向く作業 事業者が負うリスク 料金表への書き方
時間制 量が読めない整理・片付け 想定より時間が伸びると依頼者に説明が必要 「1時間あたりの単価(記入欄)、以降30分ごと(記入欄)」
作業ごとの定額 内容が一定の単発作業 想定外の条件があると採算割れ 「◯◯作業 一式(記入欄)」
パック・セット 複数作業のまとめ依頼 内訳が見えず値引き交渉されやすい 「パック名(記入欄・内訳を注記)」
個別見積もり 現場条件で大きく変わる作業 見積もり訪問の時間が無報酬になりがち 「現地確認のうえお見積もり」

当社の依頼者向け公開料金ページに見る「型2+型3」の実例

便利屋の料金設定の実例として、当社(つむぐ屋)が運営している依頼者向け(一般のお客様向け)の公開料金ページを、一次情報として確認しました(2026-07-28時点の表示)。草刈り・不用品回収・家具移動の3ページはいずれも時間制の料金を持たず、作業内容ごとの金額(型2)とパック価格(型3)の組み合わせで構成されています。

区分と金額の対応は、次のとおりです。

ページ(依頼者向け) 表示されている作業区分 区分ごとの起点価格
草刈り 草刈り(30坪未満) 5,000円〜
草刈り 草刈り(30〜100坪) 10,000円〜
草刈り 芝刈り(標準) 8,000円〜
草刈り 庭まるごとリセットパック(50坪まで) 20,000円〜
不用品回収 軽トラ1台分 10,000円〜
不用品回収 2tトラック1台分 30,000円〜
不用品回収 家まるごと 80,000円〜
不用品回収 引越し前後まとめて回収パック 30,000円〜
家具移動 小型家具 1点 5,000円〜
家具移動 中型家具 1点 8,000円〜
家具移動 大型家具 1点 15,000円〜
家具移動 模様替え一括おまかせパック 20,000円〜

この表から学べることは、金額そのものではなく、区分の並べ方です。

  1. 起点価格は1ページに1つではありません。同じページの中に、区分ごとの起点価格が複数併存しています。したがって、この3ページの起点価格を1つの金額で代表させることはできません。区分ごとの最小額を見ても、草刈りと家具移動は5,000円〜ですが、不用品回収の回収区分は軽トラ1台分の10,000円〜が最小です。
  2. 区分の切り方が、その作業の「量の測り方」になっています。草刈りは坪数、不用品回収は積む車両の大きさ、家具移動は家具のサイズと点数です。自分の作業を定額にするときは、まず何で量を測るかを決めることになります。
  3. パック価格が、単品の合計より判断しやすい形で置かれています(型3)。単品の金額とパックの金額を同じページに並べると、依頼者は「まとめたほうが分かりやすい」と受け取りやすくなります。
  4. 3ページとも、出張費と見積料を0円と表示しています(家具移動は出張費を基本料金に含む旨の表示)。つまり移動にかかる原価は、別立てにせず作業料金の中へ織り込んだ形です。

補足として、不用品回収のページには、上の回収区分とは別に「5,000円〜」という金額の表示があり、特定商取引法に基づく表記の欄にも「5,000円〜(家具組み立て・サイズにより変動)」という記載があります。これは回収の区分(軽トラ1台分・2tトラック1台分・家まるごと)に対応する金額ではないため、回収の起点価格としては扱いません。

なお、この3ページはいずれも税込・税抜の記載がありません。金額を引用する側で「税込」と補うことはできないため、本記事でも税区分は補っていません。この点は、後のステップ6で説明する総額表示の観点で、当社自身の表示も同じ基準で点検対象であるということです。すべての便利屋がこの形とは限りませんので、一つの実例として参考にしてください。また、この3ページは、B向けである本記事とは別の、依頼者向けサイトのページです。並んでいる金額は相場ではなく、当社が自分の料金表としてどう区分を切ったかの記録として見ていただければと思います。

料金や送客件数が自社に合うか、個別に確認したい方へ

入力内容を確認後、担当者からご連絡します。

ステップ3|便利屋の料金設定の芯|時間単価を原価から逆算する(記入式)

必要な年間売上を、実際に請求できる年間の作業時間で割ると、自分の時間単価が出ます。

ここが、この記事でいちばん伝えたい部分です。

請求できない時間がある(移動・見積もり訪問・事務・写真整理)

現場での作業時間だけが仕事ではありません。移動、見積もり訪問、写真整理、請求書の作成――これらの時間も体力と時間を使っています。この時間を原価として数えずに単価を決めるケースもあります。ここを数えないまま時間単価を決めると、実際に手元に残る金額は想定より少なくなります。経費の内訳(車両・保険・道具・通信・広告など)を細かく仕分けたい場合は、便利屋の確定申告|経費にできる14科目と青色申告のやり方が参考になります。損害賠償保険などの保険料も原価に入れる項目の一つで、詳しくは便利屋の保険|必要な12種類と損害賠償保険の選び方にまとめています。

「相場に合わせているのに、なぜか手元に残らない」という感覚そのものについては、便利屋は稼げない?儲からない7つの理由と手残りの増やし方で、稼げている層と厳しい層の分かれ目を扱っています。また、これから開業資金の全体像を確認したい場合は、便利屋開業の資金はいくら?個人で始める手順と費用内訳で、費用の内訳を項目ごとに整理しています。

A〜G欄に書き込む4つの手順

次のA〜G欄に、自分の数字を書き込んでいきます。手順は次の4つです。

  1. 目標にする年間の手取り(A)と、年間の経費(B。広告費・案件供給費は含めません)を書き出す
  2. 税と社会保険の備えとして一定割合を見込み(C=A×2割)、必要な年間売上(D=A+B+C)を出す
  3. 年間の稼働日数(E)と、1日のうち実際に請求できる作業時間(F)を出す
  4. 必要な年間売上(D)を年間の請求可能時間(F×稼働日数)で割り、時間単価(G)を出す

記入例(当社の実績ではありません)

以下はあくまで記入例であり、特定の事業者の実績ではありません。自分の数字に置き換えて計算してください。この表を紙に写して、あなたの数字を空欄に書き込んでみてください。

内容 数値(記入例) あなたの数字(記入欄)
A 目標の年間手取り 3,600,000円
B 年間の経費(車両・保険・道具・通信など。広告費・案件供給費は除く) 1,200,000円
C 税と社会保険の備え(A×2割で仮に置く。実際は所得や控除で変わる) 720,000円
D 必要な年間売上(A+B+C) 5,520,000円
E 年間の稼働日(月20日×12ヶ月) 240日
F 1日に請求できる作業時間(移動・見積もり・事務を除く) 4時間
年間の請求可能時間(F×E) 960時間
G 必要な時間単価(D÷960) 5,750円

検算:3,600,000+1,200,000+720,000=5,520,000、240×4=960、5,520,000÷960=5,750。

注意:上のB欄には、広告費や案件供給の利用料を含めていません。もし年間の経費にすでに広告費・案件供給費を含めている場合は、次の「集客コストを1件あたりに換算して上に載せる」の上乗せは行わず、どちらか一方だけで計算してください。

稼働率という考え方

稼働率とは、1日の拘束時間のうち、実際に請求できる作業時間の割合のことです。記入例のように、8時間拘束のうち4時間しか請求できない場合、稼働率は50%になります(F欄)。稼働率が低いほど、同じ年間売上を得るために必要な時間単価は高くなります。自分の稼働率がどのくらいかを把握しておくことが、原価から時間単価を逆算するときの土台になります。

集客コストを1件あたりに換算して上に載せる(記入例)

注意:この上乗せは、B欄(年間の経費)に広告費・案件供給の利用料をまだ含めていない場合の考え方です。B欄にすでに含めている場合は、ここでの上乗せは行わず、どちらか一方だけで計算してください。

案件を得るための費用も、原価の一部です。例えば月額定額で案件供給を受ける入口を使う場合、1件あたりのコストを計算し、時間単価に上乗せする考え方があります。

以下の記入例で使う条件は、当社(つむぐ屋)が加盟店向けに提供している定額案件供給の条件です。月額66,000円(税込)から。月18〜25件を目安に、対応地域・得意分野に合う専属案件をご案内し、成約後の紹介手数料・売上歩合はありません。つまり作業が済んだ後の売上から手数料が引かれる形ではなく、月額が固定費として先に出ていく形になります。他社の仕組みを使う場合も、月額と件数の目安が分かれば同じ計算ができます。

1枠66,000円(税込)で月18〜25件を目安とする場合、1件あたりの入口コストは66,000÷18で約3,667円、66,000÷25で2,640円になります(入口コスト2,640円〜3,667円/件)。1件の作業が2時間だとすると、時間単価への上乗せ額は2,640÷2で1,320円、3,667÷2で約1,834円になります(上乗せ1,320円〜1,834円/時間)。これを時間単価5,750円に足すと、上乗せ後の合計時間単価は5,750+1,320で7,070円、5,750+1,834で7,584円になります(合計時間単価7,070円〜7,584円/時間)。

供給件数は、客観的な有効案件条件を満たす案件の目安です。売上・成約・無条件の最低件数を保証するものではありません。

出した数字を「言える形」にしておく

Gの数字が出たら、それを人に説明できる形にしておきます。「なんとなくこのくらい」ではなく、「原価と稼働時間から出した数字です」と言えることが、次のステップ以降の値引き交渉・値上げの根拠になります。

出した単価が通るかを確かめる

原価から出した時間単価は、そのまま市場で通るとは限りません。公開・提示してから、次の考え方で確かめます。

  1. 試行期間の置き方――1〜3ヶ月ほどの期間を区切り、その間は新しい単価で問い合わせに対応します。
  2. 見るべき数値――問い合わせ数、見積もりを提出した件数、成約率、採算が合わず断った件数の4つを記録します。
  3. 通らない場合の対応――単価そのものを下げるのではなく、対応する作業の範囲を狭めて調整します(次のステップ4と接続します)。

便利屋の料金設定で、逆算値が目安より高くなったとき

ここで、同じサイト内の数字の食い違いに触れておきます。当社の別記事便利屋単価上げる9つの方法|値上げで客が離れない伝え方では、作業時間単価の目安として3,000円〜5,000円/時間という幅を示しています(2026-07-28時点の記載)。一方、この記事の記入例で逆算した必要時間単価は5,750円、案件供給費を上乗せした場合は7,070円〜7,584円です。つまり記入例の条件では、必要な単価が目安の上限(5,000円)を上回っています。

これは、どちらかが間違っているという話ではありません。目安の幅は「実際に提示されている水準」であり、逆算値は「自分の条件で必要になる額」です。性質の違う2つの数字なので、差が出るのが普通です。そして、その差の大きさがそのまま「今の条件のままでは埋まらない不足分」を表します。記入例では、必要額が目安の上限より750円(案件供給費を上乗せした場合は2,070円〜2,584円)高い、という読み方になります。

差が出たときに取れる手は、単価を下げること以外に3つあります。

  1. 請求できる時間(F欄)を増やす――移動の短いエリアに絞る、見積もり訪問を減らす(写真とヒアリングで概算を出す)、事務作業をまとめて処理する。F欄が4時間から5時間に増えれば、記入例の必要単価は5,520,000÷(240×5)=4,600円まで下がり、目安の幅の中に入ります。
  2. 対象作業を選ぶ――同じ1時間でも受け取れる金額が高い作業(道具・技術が要る作業、緊急性の高い作業)に寄せる。
  3. 範囲を狭める――最低作業時間、対応エリア、付帯作業の範囲を絞り、1件あたりの実質単価を上げる(ステップ4で扱います)。

目安に合わせて単価を下げると、記入例の条件では必要な年間売上に届きません。順序としては、逆算値を出発点に置き、足りない分を上の3つで埋める、という形になります。

なお、当社の依頼者向け公開料金ページに並んでいる金額は、時間単価ではなく作業一式あたりの価格で、単位が異なります。前のステップ2の表のとおり、起点価格はページごとに複数あり、区分によって5,000円〜・8,000円〜・10,000円〜・15,000円〜などに分かれています。1つの金額で代表させられる形ではないため、時間単価とそのまま比べる材料にはしません。

そして、当社自身の表示も、この記事で説明している基準の点検対象です。上記3ページには税込・税抜の記載がなく、追加費用が生じない旨の表現も含まれています。他の事業者の表示について注意点を書きながら自社を点検の対象から外すことはしないため、当社の表示も同じ基準で見直す対象として扱っています。

便利屋の時間単価を、1か月に必要な売上を請求できる作業時間で割って逆算する計算式の図
時間単価は必要売上÷請求できる作業時間で逆算する

ステップ4|最低受注額と最低作業時間を決める(薄利の便利屋案件を減らす)

最低作業時間に往復移動の時間を足し、時間単価を掛けると最低受注額の目安が出ます。

最低受注額の出し方(最低作業時間+往復移動)

小さな依頼ほど、移動時間の割合が大きくなり、割に合わなくなりがちです。最低作業時間(例:1時間)に、往復の移動時間相当(例:0.5時間)を足した時間分を、時間単価に掛けて最低受注額を出します。

ステップ3で、案件供給費をB欄とは別に上乗せした合計時間単価7,070円を使う場合、1.5時間分で10,605円になります(7,070×1.5=10,605)。一方、B欄にすでに案件供給費を含めている場合の時間単価5,750円を使う場合は、5,750×1.5=8,625円が目安です。

この7,070円という数字は、当社(つむぐ屋)が加盟店向けに提供している定額案件供給(月額66,000円・税込/月18〜25件を目安/成約後の紹介手数料・売上歩合なし)を入口に使う場合の記入例から来ています。供給件数は、客観的な有効案件条件を満たす案件の目安です。売上・成約・無条件の最低件数を保証するものではありません。

最低受注額は、計算結果をそのまま載せるより、切り上げた見やすい額(10,605円なら11,000円)に整えて料金表に書くほうが、依頼者にも伝わりやすくなります。切り上げた差額は、想定外の手間が出たときの余裕として残ります。

単価は下げず「範囲を狭める」で調整する

依頼者の予算が最低受注額に届かない場合、単価そのものを下げるのではなく、対応する作業の範囲を狭めて調整する方法があります。

ステップ5|便利屋の料金表の加算費用8種類と除外条件を設計する

出張費・車両費・処分費など8種類の加算費用を、それぞれ決め方まで料金表に書きます。

加算費用8種類とそれぞれの決め方

料金表に加算費用として載せる項目は、次の8種類に整理できます。

  1. 出張費――対応エリアを車での所要時間で3〜4段階の距離区分に分け、区分ごとに固定額を設定します。金額の目安としては、当社の別記事が近郊で1,500円〜4,500円という幅を示しています(前掲の単価の記事・2026-07-28時点)。ただしこれは目安で、実額は自分の車両費と移動時間の原価から決めます。なお当社の依頼者向けページでは出張費を0円または基本料金に含む形で表示しており、同じ費用を別立てにするか作業料金へ織り込むかは、どちらも取り得る設計です。
  2. 車両費――ガソリン代・車両の維持費を按分し、出張費に含めるか別立てにするかを先に決めます。
  3. 処分費――処分費用は実費(処分場の領収書等の証憑が残る金額)を基準にし、かつ自分が持っている許認可の範囲内で受けられる処分に限って料金表に載せます。廃棄物の運搬や買取が絡む場合は必要な許可・届出が変わるため、便利屋の資格は不要|開業前に確認する許可・届出7つ便利屋に古物商許可は必要?判断4条件と申請5手順で要否を確認してから金額を決めてください。想定外の量が出た場合の追加条件も、あわせて書いておきます。
  4. 資材・雑費――使用した資材の原価に一定のマークアップ(値入れ)を乗せて設定します。
  5. 作業人数の追加――1人あたりの追加額を、1人分の時間単価を基準に決めます。
  6. 時間外・早朝深夜割増――通常単価に対する割増率(例:2〜3割増)をあらかじめ決めておきます。
  7. 特急・当日対応――スケジュールを空ける機会損失分として、通常単価への割増率で設定します。
  8. 実費(駐車場代など)――領収書が出る実費のみを対象にし、見積書に内訳を残します。

キャンセル料と日程変更の扱い

キャンセルが発生した場合の扱い(いつまでなら無料か、当日はどう扱うか)も、料金表または見積書に明記しておくと、現場でのトラブルを減らせます。

除外条件(お断りする作業・別途見積もりになる条件)

「この条件のときは別途見積もりになります」という除外条件を、あらかじめ書いておきます。現場で追加費用を言い出しにくい、という気まずさは、先に書いてあることでかなり減らせます。

ステップ6|便利屋の料金表を表示のルールに合わせて書く

消費者向けにあらかじめ料金を表示する場合は、税込の総額で表示することが法令で義務付けられています。

消費者向けにあらかじめ価格を表示するなら税込の総額表示(消費税法第63条・国税庁の解説)

国税庁の解説によれば、事業者が消費者に対してあらかじめ価格を表示する場合、消費税額を含めた価格(税込価格)を表示することが義務付けられています。対象になる媒体の例として、店頭表示、チラシ広告、新聞・テレビの広告などが挙げられています。なお、口頭による価格表示はこの義務の対象外とされています。詳しくは国税庁の解説ページをご確認ください。

条文には除外がある(免税事業者・専ら事業者向けの取引)

消費税法第63条には、次のような除外規定があります。免税事業者(消費税を納める義務が免除される事業者)や、専ら他の事業者に対して取引を行う場合は、この総額表示義務の対象から除かれています。この除外に該当する場合は、料金表やチラシに税抜価格を明記する余地があります。ただし、自分がどちらに該当するかを誤って判断すると総額表示義務違反になり得るため、該当するかどうかは所轄の税務署や税理士に確認することをおすすめします(条文はe-Gov法令検索で確認できます)。

「〜円〜」「追加料金なし」「最安」の書き方に注意(景品表示法第5条)

不当景品類及び不当表示防止法第5条第2号では、商品や役務の価格その他の取引条件について、実際よりも著しく有利であると一般消費者に誤認される表示を禁止しています。「〜円〜」という起点価格の表示や、「追加料金なし」「最安」といった表現は、実態と乖離すると有利誤認にあたるおそれがあるため、実態に即した書き方にする必要があります。個別の表現が問題にあたるかどうかは、消費者庁や専門家に確認することをおすすめします。

この章の基準は、他の事業者だけに向けたものではありません。当社自身の表示も同じ基準の点検対象です。ステップ2で挙げた当社の依頼者向け3ページには、税込・税抜の記載がなく、追加費用が生じない旨の表現も含まれています。本記事では、この表現を望ましい書き方の例としては引用せず、当社側の見直し対象として扱っています。自分の料金表を点検するときも、同じように「自分が今出している表示」から始めるのが早い順序です。

注記に書いておくと現場が楽になる3行

以下は、消費者向けに料金表やチラシなどの掲示物として、価格をあらかじめ表示する場合を前提にした注記です。

  1. 「上記価格に別途、出張費・処分費が加算される場合があります」
  2. 「現地の状況により、事前のお見積もりと金額が異なる場合があります」
  3. 「表示価格は消費税を含んだ総額です」

便利屋の料金表は公開すべきか、見積もりだけにすべきか

料金表を公開する方法と、都度見積もりのみにする方法には、それぞれ考慮点があります。

料金表を公開する場合、依頼者が問い合わせる前に金額の目安を把握できるため、期待値のずれが起きにくくなります。また、料金表に加算費用の項目をあらかじめ書いておけば、現場で追加費用が発生したときも、依頼者に説明しやすくなります。

一方、都度見積もりのみにする方法を選ぶ場合、口頭での価格提示は総額表示義務の対象外とされているため、店頭表示やチラシのような形で価格を掲示しない限り、この義務への対応を都度検討する必要はありません。

料金表を公開する場合は、「〜円〜」のような幅のある表示が、実態とかけ離れていないか(有利誤認にあたらないか)を、事前に確認しておくことをおすすめします。どちらの方法が自分に向くかは、対応する作業の幅や、問い合わせ対応にかけられる時間によって変わります。なお、ある掲示物が総額表示義務の対象にあたるかどうかや、個別の表現が有利誤認にあたるかどうかの判断は、所轄の税務署・消費者庁・専門家にご確認ください。

料金や送客件数が自社に合うか、個別に確認したい方へ

入力内容を確認後、担当者からご連絡します。

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全7問。回答内容をもとに適合性を確認します。

ステップ7|便利屋の見積書の書式を整える

見積書には、作業内容・数量/時間・単価・加算費用の内訳・合計金額(税込)・有効期限の6項目を必ず記載します。

見積書に必ず入れる6項目

見積書には、次の6項目を必ず入れておくと、依頼者との認識のずれを防げます。

  1. 作業内容
  2. 数量・時間
  3. 単価
  4. 加算費用の内訳
  5. 合計金額(税込)
  6. 有効期限

現場で金額が動くときの手順(作業前に止める)

現場で当初の見積もりと状況が変わった場合は、作業を進める前に一度手を止め、追加費用の見込みを口頭または書面で伝えてから再開する、という手順を決めておくと安心です。

依頼者が呼んだ訪問と、こちらから訪問して契約する場合の違い(特商法)

特定商取引に関する法律第26条第6項第1号では、依頼者が自分の住居で申込みや契約の締結を請求して行われる訪問については、同法第4条から第10条までの規定を適用しないと定めています。つまり、依頼者から呼ばれて訪問し、その場で契約するケースの多くは、この号の対象になり得ます。

一方、こちらから訪問して営業所等以外の場所で申込みを受ける場合は、同法第4条第1項により、価格や支払方法などの事項を記載した書面を直ちに交付する必要があります(ただし、その場で契約を締結した場合は交付しなくてよいというただし書があります)。どちらに該当するかの判断は、個別の状況によって変わるため、専門家に確認することをおすすめします。

なお、料金そのものの見直し周期については、後半の章「便利屋の料金の見直し(値上げ)を年1回の作業にする」でまとめて解説します。

便利屋の料金表に載せる14項目チェックリスト

料金表に必要な項目は、基本料金から出張費・キャンセル料・表示の注記まで、14項目で網羅できます。

14項目

料金表に載せる項目は、次の14項目で網羅できます。

  1. 基本料金(何が含まれるか)
  2. 時間の単位と延長の単位
  3. 作業人数の加算
  4. 作業別の目安価格
  5. パック・セット価格
  6. 出張費(距離区分)
  7. 車両費
  8. 処分費(実費・許認可の範囲内)
  9. 資材・雑費
  10. 時間外・早朝深夜・特急の割増
  11. キャンセル料・日程変更
  12. 割引(まとめ・定期・紹介)
  13. 支払方法と支払期日
  14. 表示と注記(税の扱い・料金表にない作業・お断りする作業・見積もりで確定する旨)

8番の処分費は、金額の根拠を実費に置くだけでなく、自分が持っている許認可の範囲内で受けられる処分に限って載せる、という2つの条件がそろってはじめて料金表に書けます。要否の確認先は、便利屋の資格は不要|開業前に確認する許可・届出7つ便利屋に古物商許可は必要?判断4条件と申請5手順です。範囲外の処分を前提にした金額を料金表に載せてしまうと、受けられない依頼を集めることになります。

紙・サイト・見積書で使い回す

この14項目は、紙の料金表、Webサイトの料金ページ、見積書のテンプレートで同じ並びを使い回すと、依頼者にとっても自分にとっても分かりやすくなります。

公的な価格設定の考え方を便利屋の料金設定に翻訳する

原価・需要・競合の3つの観点で整理でき、便利屋では原価からの逆算が出発点になります。

価格設定の考え方は、大きく原価・需要・競合の3方向に整理できます。以下は業種を問わない一般的な整理(公的な起業支援サイトの解説による、最終内容確認2018年2月時点)を、便利屋の実務に置き換えたものです。詳細はJ-Net21「価格設定の考え方」で確認できます。

原価を考慮して決める(コストプラス・マークアップ)

原価に一定の利益を加えて価格を決める考え方です。ステップ3で行った時間単価の逆算は、この考え方に近いものです。

需要を考慮して決める(知覚価値・需要差別)

依頼者がその作業にどれだけの価値を感じるか、また依頼者層によって需要に差があるかを基準に価格を決める考え方です。

競合状況を考慮して決める(市場浸透・うわずみ吸収)

開業直後に低価格で始めて認知を広げる考え方(市場浸透)と、当初は高めの価格で収益性を重視する考え方(うわずみ吸収)があります。

表:8方式の定義と、便利屋での使いどころ

方式 意味(平易な言い換え) 便利屋での使いどころ
コストプラス かかった原価に、決めた利益額を足して価格にする考え方 開業初期の基準づくり
マークアップ 仕入れや資材の原価に、一定の割合を上乗せして価格にする考え方 パック価格の設計
知覚価値 お客様がその作業にどれだけ価値を感じるかを基準に価格を決める考え方 緊急対応・専門作業の単価
需要差別 依頼者層や場面によって、同じ作業でも価格に差をつける考え方 法人向け・個人向けの分け方
市場浸透 開業直後にあえて価格を低くし、まず知ってもらうことを優先する考え方 開業直後の実績づくり
うわずみ吸収 開業直後にあえて価格を高くし、収益の回収を優先する考え方 専門性の高い作業の初期価格
ロスリーダー 一部の作業を採算ぎりぎりの価格にして、他の作業もまとめて受けてもらう考え方 パックの目玉作業
心理的価格政策 端数を使うなど、数字の見え方で割安に感じてもらう工夫 端数の付け方の工夫

※方式の意味は出典の説明を踏まえた平易な言い換えであり、便利屋での使いどころは当社での翻訳です。出典はJ-Net21「価格設定の考え方」(公的な起業支援サイト・最終内容確認2018年2月時点)です。

案件の入口11チャネルで、同じ便利屋の料金でも手取りが変わる

案件の入口によって、1件あたりの獲得費用と手数料の有無が変わり、同じ単価でも手取りが変わります。

同じ時間単価で仕事をしていても、案件を得る入口によって手取りは変わります。案件の入口は、次の11チャネルに整理できます。

  1. SEO(記事・オウンドメディア)
  2. MEO(地図・ビジネスプロフィール)
  3. リスティング広告(検索連動型)
  4. SNS
  5. LINE公式アカウント
  6. チラシ
  7. ポスティング
  8. 紹介
  9. 口コミ
  10. 顧客名簿(リピート導線)
  11. 登録型サービス(作業ごとに手数料がかかる形)

各チャネルを、1件あたりの獲得費用と手数料の有無で整理すると、次の表のようになります。

# チャネル 1件あたりの獲得費用 手数料が単価から引かれるか
1 SEO(記事・オウンドメディア) 中(記事制作コストを案件数で按分) 引かれない
2 MEO(地図・ビジネスプロフィール) 低〜中 引かれない
3 リスティング広告(検索連動型) クリック単価×成約率に応じて変動 引かれない(広告費として原価計上)
4 SNS 低(運用時間はかかる) 引かれない
5 LINE公式アカウント 低(既存客中心) 引かれない
6 チラシ 中(印刷・配布費用による) 引かれない
7 ポスティング 中(配布範囲による) 引かれない
8 紹介 低(謝礼を設ける場合あり) 謝礼分を原価に計上する場合あり
9 口コミ 引かれない
10 顧客名簿(リピート導線) 低(フォロー工数のみ) 引かれない
11 登録型サービス(作業ごとに手数料がかかる形) 中(成約ごとの手数料) 引かれる

集客の具体的な手法については、以下の記事で9つのチャネルを扱っています(本記事の11チャネルとの差分は、顧客名簿・登録型サービスの2件です)。

登録型サービス(作業ごとに手数料がかかる形)で単価をどう置くか

登録型サービスは、成約ごとに手数料が差し引かれる仕組みが一般的です。単価を決めるときは、この手数料を差し引いた後の手取りで採算が合うかを確認する必要があります。

定額の専属案件供給という入口

案件の入口の一つとして、月額定額で案件の供給を受ける形態もあります。当社(つむぐ屋)が加盟店向けに提供している定額案件供給がこの形で、月額66,000円(税込)から。月18〜25件を目安に、対応地域・得意分野に合う専属案件をご案内し、成約後の紹介手数料・売上歩合はありません。作業が済んだ後の売上から手数料を引かれない代わりに、月額が固定費として先に出ていく形になります。

この条件で計算すると、1件あたりの入口コストは2,640円〜3,667円、時間単価への上乗せは1,320円〜1,834円、上乗せ後の合計時間単価は7,070円〜7,584円になります(ステップ3で計算した通りです)。固定費型の入口は、受けた件数が目安の上限に近いほど1件あたりのコストが下がり、下限に近いほど上がります。したがって、自分の稼働時間から受けられる件数の上限を先に確認してから枠数を考える、という順序になります。

供給件数は、客観的な有効案件条件を満たす案件の目安です。売上・成約・無条件の最低件数を保証するものではありません。

フランチャイズの費用は「総額」で比べる

フランチャイズに加盟する場合は、加盟金・ロイヤリティ・研修費・広告分担金などを個別に見るのではなく、年間の総額で比較すると、実質的な手取りへの影響が把握しやすくなります。見極め方の詳細は以下にまとめています。

案件の入口として元請け・直受けを増やす方法については、以下の記事も参考になります。

便利屋の値引き要求への返し方と、料金を守るための断り方(文例)

値引き要求には、含まれる内容を説明し直す文例で応じ、下げる場合は範囲を外して調整します。

「他はもっと安い」への返し方(文例)

  • 「他社様の金額は把握しておりませんが、当方の金額は出張費・保証内容を含んだ料金でご案内しております」
  • 「価格だけを比べていただくより、含まれる作業内容を一度ご確認いただけますか」
  • 「その金額でのご対応は難しいのですが、作業範囲を絞ればご希望に近づけられます」

断る文例(範囲外・遠方・条件が合わない)

  • 「恐れ入りますが、その作業は対応範囲外のため承れません」
  • 「対応エリア外のため、別の業者様をお探しいただくことをおすすめします」

下げるときは必ず「何かを外す」

値引きに応じる場合でも、単価そのものを下げるのではなく、作業範囲やオプションを外すことで金額を調整すると、他の依頼者との公平性を保ちやすくなります。

便利屋の料金の見直し(値上げ)を年1回の作業にする

原価の変化・断った件数・埋まり具合を材料に、年1回、料金表を見直す時期を決めます。

見直しの判断材料(原価の変化・断った件数・埋まり具合)

燃料費や資材費の変化、採算が合わず断った件数、予約の埋まり具合を材料に、年1回、料金表を見直す時期を決めておきます。

値上げの伝え方・進め方は別記事に譲る

値上げをいつ・どう伝えるか、既存のお客様が離れない伝え方の文例まで踏み込んだ実践編は、便利屋単価上げる9つの方法|値上げで客が離れない伝え方にまとめています。この記事では、見直しの判断材料の整理までを扱います。

便利屋の料金設定でよくある失敗5つ

原価を計算していない、料金表がない、値上げをしていないなど、5つの失敗パターンがあります。

  1. 近隣の相場だけを見て金額を決め、原価を計算していない
  2. 移動・見積もり訪問・事務の時間を原価に入れていない
  3. 料金表を作らず、その場の口頭対応で済ませている
  4. 値引きに応じるとき、単価を下げて範囲を変えていない
  5. 開業時の料金を、その後一度も見直していない

体力仕事は、年齢とともに1日に使える時間が変わっていきます。単価の作り方を知らないまま安く受け続けることは、判断が甘いからではなく、単に単価の作り方を教わる機会がなかっただけです。この記事の7ステップが、その機会の代わりになれば幸いです。一人で回している中で受注量や体力の壁を感じている場合は、便利屋は一人だと限界?売上と体力の壁を仕組みで越える方法も参考になります。開業そのものの採算に不安がある場合は、便利屋の開業は「やめとけ」?儲からない理由と続ける方法もあわせてご覧ください。

まとめ|便利屋の料金設定は、原価と表示の2つで決まる

  • 便利屋の料金設定は、相場合わせではなく原価からの逆算で決める
  • 料金体系は時間制・作業ごとの定額・パック・個別見積もりの4つの型から選ぶ
  • 時間単価は、年間の必要売上を年間の請求可能時間で割って出す
  • 逆算値が目安の幅より高く出ることはある。単価を下げるのではなく、請求できる時間・対象作業・範囲の3つで差を埋める
  • 加算費用8種類、料金表14項目を漏れなく書く。処分費は実費かつ許認可の範囲内で載せる
  • 消費税の総額表示、景品表示法の有利誤認、特定商取引法の書面交付には留意が必要。掲示物該当性や個別表示の当否は所轄の税務署・消費者庁・専門家にご確認ください。この基準は当社自身の表示にも同じように適用し、見直しの対象としています
  • 案件の入口によって同じ単価でも手取りが変わる。登録型サービスや、当社が提供している定額の専属案件供給(月額66,000円・税込/月18〜25件を目安/成約後の紹介手数料・売上歩合なし)を使う場合は、入口コスト・上乗せ額・合計時間単価を分けて計算する。供給件数は、客観的な有効案件条件を満たす案件の目安です。売上・成約・無条件の最低件数を保証するものではありません。
  • 料金は年1回、原価の変化に合わせて見直す

料金や送客件数が自社に合うか、個別に確認したい方へ

入力内容を確認後、担当者からご連絡します。

対応地域・経験・現場余力から、案件紹介との相性を確認したい方へ

全7問。回答内容をもとに適合性を確認します。

よくある質問

Q1. 便利屋の料金はどうやって決めるのですか?

A1. 便利屋の料金設定は近隣の相場に合わせるのではなく、目標の年間手取りと経費から必要な年間売上を出し、実際に請求できる年間の作業時間で割って時間単価を出す方法をおすすめします。詳しい手順はステップ3で解説しています。

Q2. 時間制と作業ごとの定額、どちらがよいですか?

A2. 便利屋の料金設定では、作業量が現場によって変わりやすい作業は時間制、内容がほぼ一定の作業は定額が向いています。両方を組み合わせて運用する考え方もあります。

Q3. 料金表は税込で書くのですか?

A3. 消費者向けにあらかじめ価格を表示する場合は、消費税法第63条により税込の総額表示が義務付けられています。ただし、免税事業者や専ら事業者向けの取引はこの義務の対象外とされています。ご自身の該当状況は税務署や税理士にご確認ください。

Q4. 出張費はいくらにすべきですか?

A4. 対応エリアを距離で区分し、区分ごとに固定額を設定する方法が実務的です。金額の目安としては、当社の別記事『便利屋単価上げる9つの方法|値上げで客が離れない伝え方』が近郊で1,500円〜4,500円という幅を示しています(2026-07-28時点の記載)。ただしこれは目安で、実額は自分の車両費と移動時間の原価から決めます。なお当社の依頼者向けページでは出張費を0円または基本料金に含む形で表示しており、別立てにするか作業料金へ織り込むかは、どちらも取り得る設計です。

Q5. 最低受注額は必要ですか?

A5. 小さな依頼ほど移動時間の割合が大きくなり採算が合いにくくなるため、最低作業時間と往復移動時間を合わせた最低受注額を設定しておくことをおすすめします。

Q6. 値上げはどう伝えればよいですか?

A6. 見直しの理由を簡潔に伝え、次回の依頼が発生しそうな時期より前に予告することをおすすめします。伝え方の具体的な文例は『便利屋単価上げる9つの方法|値上げで客が離れない伝え方』にまとめています。

Q7. 登録型サービスや定額の案件供給を使うと、料金設定はどう変わりますか?

A7. 手数料や入口コストを1件あたりに換算し、時間単価に上乗せして考える必要があります。当社が提供している定額案件供給は、月額66,000円(税込)から、月18〜25件を目安に専属案件をご案内し、成約後の紹介手数料・売上歩合はありません。供給件数は、客観的な有効案件条件を満たす案件の目安です。売上・成約・無条件の最低件数を保証するものではありません。

Q8. 料金表を公開しないほうが得ですか?

A8. 損得は一概には言えません。公開すると問い合わせ前に金額の目安が伝わりやすくなりますが、都度見積もりにする場合は口頭での価格提示が総額表示義務の対象外である点を踏まえて判断してください。ある掲示物が総額表示義務の対象にあたるかどうかの判断は、所轄の税務署・専門家にご確認ください。詳しくは『便利屋の料金表を表示のルールに合わせて書く』の章をご覧ください。

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参考(外部・公的機関)

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