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便利屋 チラシ集客の始め方|配り方10種と反響の計算式

便利屋 チラシ集客の始め方|配り方10種と反響の計算式

チラシを刷って配ったのに、電話が鳴らない。まただめかと思いながら、残った束を見る――便利屋のチラシで、この経験をされた方は少なくないはずです。

じつは反応が出ない原因は、デザインの善し悪しより前に、「1枚に何を書いたか」と「どう届け、どう受けたか」に集まっています。

なぜなら、受け取った方は自分に関係のある紙だけを手元に残すからです。何でもできると書かれた紙は、自分ごとになりません。そして反応が来ても、作業中で電話に出られなければ、その一件は残りません。

ここでは、載せる項目9点、届け方10種の使い分け、ポスティングで守る法令、目標件数から枚数を逆算する計算式、クレームが起きたときの対応、そしてチラシが向かない場合の判断までを順にまとめます。

読み終えて頂ければ、表面で訴える作業を1つ決め、配るエリアと枚数と2回分の配布日を、その日のうちに紙に書き出せるはずです。

目次

便利屋のチラシは、1枚に1つの困りごとだけを書くと変わります

1枚に何を書いたかで反応は変わります。表面は1テーマに絞り込み、裏面で対応範囲を丁寧に伝えます。

「何でもやります」が伝わりにくい理由

困りごとを抱えた人が最初に思い浮かべる相手(第一想起)になれるかどうかは、チラシで訴求を絞れているかどうかで変わります。「草刈りの便利屋」「網戸の便利屋」のように1つの困りごとと結びついたチラシは、実際にその困りごとが起きた瞬間に思い出してもらいやすくなります。

もう1つの理由は、受け手が支払う「判断コスト」です。何でもできると書かれた紙を見た人は、自分の困りごとがその中に含まれているかを、自分で探して確認しなければなりません。この一手間があるだけで、便利屋のチラシは読まれずに処分されやすくなります。表面を1テーマに絞ることは、この判断コストを事業者側が肩代わりし、受け手の手間を減らす工夫だと言えます。

表面は1テーマ、裏面で対応範囲を受ける

表面には、地域でよくある困りごとを1つだけ選んで書きます。草刈り、網戸の張り替え、家具の移動など、季節や地域性に合わせて1テーマに絞ります。裏面には、対応できる作業の一覧を並べて、表面に反応した方が「他にも頼めることがある」と気づける形にします。

誰に届けたいかを、近所の困りごとから1つ選ぶ

高齢の世帯が多い地域なら庭仕事や電球交換、集合住宅が多い地域なら家具の移動や不用品の整理など、配布エリアの世帯構成から逆算して表面のテーマを決めます。

テーマが決まったら、表面の一行キャッチはテーマ→困りごとの情景→行動、の順で短く組み立てます。例えば次のような形です。

  • 草刈り:「庭の草、伸びていませんか。1回のお手入れから承ります」
  • 網戸の張り替え:「網戸が破れたまま、夏を迎えていませんか」
  • 家具の移動:「一人で運べない家具、ございませんか」

逆に、次のようなキャッチは避けます。

  • NG例:「何でも屋、何でも承ります!地域最安に挑戦!」→ 困りごとが1つに絞られておらず、「地域最安」は有利誤認表示(後述の景品表示法)に触れるおそれもあります。

この一行キャッチを表面の見出しに置き、裏面で対応範囲を受ける、という順番を飛ばすと、次章の「届け方」も「反響の計算」も土台が揺らぎます。

チラシに載せる項目9点

載せる項目は9点です。1枚1テーマに絞り込み、複数の連絡手段と折り返し時間の約束まで書きます。

  1. 誰の・どの困りごとに応える紙か(1枚1テーマ)
  2. できることの範囲と、できないこと
  3. 料金の考え方(時間制/作業別/出張費の有無)
  4. 作業前後が想像できる写真(自分で撮った現場のもの)
  5. 施工する本人の名前と、地元であること
  6. 連絡手段を複数(出られない時間の代わりになる受け口)
  7. 対応地域と、対応できる時間帯
  8. 保険の加入や資格の記載(事実の範囲で)
  9. 配布年月と、「投函をお断りの方はご一報ください」の一文

なお、お客様の声を載せる場合は、地域名を市区町村・丁目程度にとどめ、実際にいただいた言葉の範囲で記載することが基本です(作り話・誇張は避けます)。

料金の書き方(自分の料金表と食い違わせない)

料金の考え方は、9項目のうち特に食い違いが起きやすい部分です。一言で言えば、料金の書き方は自分の料金表と一致させることが最優先です。時間制なのか作業別なのか、出張費の扱いはどうなっているのかを、チラシと現場の説明で食い違わせないことが、その後のクレームを防ぐいちばんの近道です。具体的な金額の書式例は、便利屋 集客を安定させる9つの集客チャネルの料金めやすの提示例に譲りますが、ここで押さえておきたいのは、書式そのものより「決まり方を、現場の説明と一致させる」という照合の観点です。

電話に出られない時間の受け方(折り返す時間を約束する)

便利屋は作業中に電話へ出られないことがほとんどです。チラシには電話番号だけでなく、留守番電話やショートメッセージなど複数の連絡手段を載せ、折り返す時間の目安を添えておくと、反応を取りこぼしにくくなります。この受け方の設計は、後半の「反応を取りこぼさない受け方」で具体的な案内文とあわせて扱います。

写真と実名を載せる理由(初めて頼む方の不安を下げる)

初めて便利屋のチラシを見て連絡する方にとって、いちばん大きな不安は「どんな人が家に来るのか分からない」ことです。作業する本人の顔写真と名前が載っていれば、来る人の顔と呼び名が事前に分かるため、問い合わせの一歩を踏み出しやすくなります。写真と実名を載せるいちばんの目的は、この発注前の不安を下げることにあります。

あわせて副次的な効果として、後から連絡を取る際の一貫性も保てます。チラシに書いた名前と、実際に対応する本人が異なっていると、問い合わせや、万一クレームが起きた際の連絡先の特定に手間がかかります。写真と実名を一致させておくことは、載せる項目9点(5番目)の中でも、後述するクレーム対応をスムーズに進めるための土台になります。

限定クーポンの扱い方

配布時期を限定したクーポンは、反応の後押しになる一方、景品表示法の対象になる表現でもあります。適用条件と期限を必ず併記します(例:8月末までのご依頼が対象・初回のみ・他の割引との併用不可、など)。実際に適用できる条件と食い違わないよう、条件と期限のセットで明記することが、あとのトラブルを防ぎます。「誰でも」「必ず」といった断定表現は避けます。

「投函をお断りの方へ」の一文を入れる理由

チラシお断りの表示がある建物・お宅への配慮を、あらかじめチラシの文面でも示しておくことは、近隣との関係を保つ意味でも有効です。「投函をお断りの方はご一報ください、以後控えます」という一文は、地域で長く便利屋のチラシを配り続けるための備えになります。便利屋の保険の加入状況を項目8に記載する場合は、実際に加入している範囲を正確に書くことが前提になります。

料金や送客件数が自社に合うか、個別に確認したい方へ

入力内容を確認後、担当者からご連絡します。

便利屋のチラシに載せる項目9点を紙面レイアウトとして示し、それぞれが読者のどの不安に対応するかを添えた図
チラシに載せる9点は、読者のどの不安に応えるかで並べる

チラシとポスティング、届け方は10種類あります

チラシの届け方は10種類あり、代表的な方法がポスティングです。自分で配るか、事業者に頼むかは、まず時間の使い方から考えます。

  1. 自分で手配りする(ポスティング)
  2. ポスティング事業者へ委託する
  3. 新聞折込
  4. 郵送(宛名あり・信書の扱いに注意)
  5. 作業後にお渡しする(既存のお客様・ご近所へのあいさつ)
  6. 提携先に置いていただく(工務店・不動産会社など)
  7. 地域情報紙・タウン誌への掲載や折込
  8. 許可のある掲示板・チラシラックへの設置
  9. イベント・地域の集まりでの手渡し
  10. 貼り紙・立て看板(規制の対象になるため、原則として選びません)

自分で配る場合と、事業者に頼む場合の分かれ目

自分で配る場合は費用を抑えられますが、その時間を作業の受注に充てられなくなります。事業者に委託する場合は費用がかかる一方、まとまった枚数を短期間で配れます。自分の1時間をいくらの価値と見るかで、どちらが向いているかは変わります。

観点 自分で配る 事業者に委託する
費用 印刷費のみ(配布に自分の時間を充てる) 印刷費+配布委託費
所要時間(自分の稼働) 配布枚数に比例して時間を要する ほぼかからない(依頼と確認のみ)
配布量の目安 稼働の合間にできる範囲に限られる まとまった枚数を短期間で配布できる
クレーム対応の窓口 自分がその場で対応する 事業者と自分の双方で対応を分担する
向く時期 稼働にゆとりがある時期 繁忙期・まとまった枚数を急ぎたい時期

新聞折込と郵送が向く場面

新聞折込は、特定のエリアに新聞を購読している世帯へまとめて届けたいときに向いています。郵送は、既存のお客様への案内や、宛名を明記した個別の案内に向いていますが、宛名を書く場合は後述する信書の扱いに注意が必要です。

貼り紙・立て看板を原則として選ばない理由

屋外広告物法第3条第1項は、次のように定めています。

都道府県は、条例で定めるところにより、良好な景観又は風致を維持するために必要があると認めるときは、次に掲げる地域又は場所について、広告物の表示又は掲出物件の設置を禁止することができる。

出典:e-Gov法令検索 屋外広告物法

条例で禁止できる地域は、同項各号で列挙されており、第一種低層住居専用地域等の住居専用地域・景観地区・風致地区、文化財周辺、保安林、道路・鉄道等の沿道、公園・墓地、その他都道府県が特に指定する地域まで広く及びます。さらに同条第2項は、橋りょう・街路樹・銅像・記念碑・景観重要建造物や景観重要樹木といった「物件」への表示・掲出も禁止の対象にできると定めています。つまり、貼り紙・立て看板は「場所」だけでなく「物件」の側からも規制され得るため、設置してよい場所かどうかを事前に判断しづらく、原則として選ばない届け方に位置づけています。

加えて、軽犯罪法第1条は、「左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。」として複数の行為を列挙しており、第33号には次のようにあります。

みだりに他人の家屋その他の工作物にはり札をし、若しくは他人の看板、禁札その他の標示物を取り除き、又はこれらの工作物若しくは標示物を汚した者

出典:e-Gov法令検索 軽犯罪法

他人の家屋や工作物にみだりに貼り紙をする行為そのものが、この条文の対象になり得ます。設置場所の所有者・管理者の明確な許可なく貼り紙・立て看板を出すことは避け、許可のある掲示板やチラシラック(前掲の届け方8)を優先してください。掲示板やラックに置かせていただく場合は、置ける枚数、掲示できる期間、補充と撤去を誰がいつ行うかを管理者に先に確認しておくと、無断で置き続けていると受け取られる心配がなくなります。

設置を検討する場合は、お住まいの自治体の屋外広告物条例を必ず確認してください。

チラシのポスティングで守る法令を、条文で確認します

本記事で確認した範囲では、投函そのものを禁止する条文は確認できませんでした。問題になるのは入り方と表示です。

ここでの法令の説明は一般的な内容であり、個別の判断は自治体の担当窓口・消費生活センター・弁護士等の専門家にご確認ください。

投函の入り方で問われることがあります

刑法第130条は、次のように定めています。

正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金に処する。

出典:e-Gov法令検索 刑法

集合住宅の共用部やオートロックの内側など、正当な理由なく立ち入ることが問題になり得る場所には、あらかじめ配布の可否を確認してから入るようにします。

「チラシお断り」の表示がある場所

軽犯罪法第1条は、「左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。」として複数の行為を列挙しており、第32号には次のようにあります。

入ることを禁じた場所又は他人の田畑に正当な理由がなくて入つた者

出典:e-Gov法令検索 軽犯罪法

「チラシお断り」「ポスティングお断り」といった表示がある郵便受け・敷地は、この表示自体が「入ることを禁じた場所」の意思表示に当たり得るため、投函しないという運用を徹底します。

集合住宅は管理者の意向を先に確認する

集合住宅は、管理組合や管理会社が独自にポスティングの可否を定めていることがあります。表示の有無にかかわらず、管理者へ事前に確認する手順を配布計画に組み込んでおくと、トラブルの発生を減らせます。

信書かどうかは書いた内容で決まり、禁じられているのは他人の信書を業として送ることです

郵便法第4条第2項は、次のように定めています。

会社(契約により会社から郵便の業務の一部の委託を受けた者を含む。)以外の者は、何人も、他人の信書(特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書をいう。以下同じ。)の送達を業としてはならない。二以上の人又は法人に雇用され、これらの人又は法人の信書の送達を継続して行う者は、他人の信書の送達を業とする者とみなす。

同条第3項は、次のように定めています。

運送営業者、その代表者又はその代理人その他の従業者は、その運送方法により他人のために信書の送達をしてはならない。ただし、貨物に添付する無封の添え状又は送り状は、この限りでない。

さらに同条第4項は、次のように定めています。

何人も、第二項の規定に違反して信書の送達を業とする者に信書の送達を委託し、又は前項に掲げる者に信書(同項ただし書に掲げるものを除く。)の送達を委託してはならない。

出典:e-Gov法令検索 郵便法

条文が定める判定軸は、あて名を書いたかどうかではなく、「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する」内容であるかどうかです。あて名のない不特定多数向けのチラシは、特定の受取人へ向けた意思表示・事実通知にあたりにくいため、通常はこの信書の定義に該当しにくいと考えられます。一方、個別の宛名を記して特定の相手へ意思や事実を伝える文書は、まず内容面でこの定義に照らして判断する必要があります。

もう1つ押さえておきたいのが、この禁止が誰のどんな行為に向けられているかです。第2項が禁じているのは「他人の」信書の送達を「業として」行うことであり、自分の事業案内やお礼状を自分の名前で自分が投函する行為は、この禁止の対象ではありません。注意が要るのは、配布を第三者(ポスティング事業者等)へ委託する場合です。第4項は、第2項に違反して信書の送達を業とする者や、第3項に掲げる運送営業者へ信書の送達を委託することを禁じており、どこからが委託にあたるかの線引きは条文だけで判断しきれるものではありません。宛名を書いた紙を第三者に配ってもらう計画がある場合は、日本郵便または総務省の窓口にご確認ください。

チラシの表現は景品表示法の対象です

景品表示法第5条は、次のように定めています。

事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。

第1号(優良誤認)は、次のように定めています。

商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

第2号(有利誤認)は、次のように定めています。

商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

出典:e-Gov法令検索 不当景品類及び不当表示防止法

「地域最安」「追加料金一切なし」「他社より必ず安い」といった表現は、実際の取引条件と食い違う場合にこの第1号・第2号に触れる可能性があるため、チラシの文面では最上級表現や断定的な表現を避け、実際に提示している料金表と一致する範囲で書くようにします。

これに加えて、軽犯罪法第1条は、「左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。」として複数の行為を列挙しており、第34号には次のようにあります。

公衆に対して物を販売し、若しくは頒布し、又は役務を提供するにあたり、人を欺き、又は誤解させるような事実を挙げて広告をした者

出典:e-Gov法令検索 軽犯罪法

景品表示法が事業者の表示を対象にするのに対し、この条文は「人を欺き、又は誤解させるような事実」を挙げた広告そのものを対象にしています。チラシに実際とは異なる実績・資格・価格を書くことは、景品表示法だけでなくこの条文に照らしても避けるべき表現です。便利屋のチラシに書く内容は、この2つの法令を両方満たす必要があります。

チラシを何枚配ればよいかは、目標件数から逆算します

必要な枚数は、目標の受注件数から反響率と成約率で逆算して求めます(数値はすべて仮に置いた前提です)。

反響率と成約率を「仮に置いて」計算する

ここで示す数値はすべて仮に置いた前提であり、相場として断定するものではありません。仮に反響率0.1%(1,000枚で問い合わせ1件)・成約率50%と置くと、受注1件を得るには問い合わせが2件必要になり、1,000枚 × 2 = 2,000枚が必要になります。月に4件の受注を目標にする場合は、2,000枚 × 4 = 8,000枚が必要な計算です。

前提値(仮置き) 枚数 問い合わせ数 成約数 検算
反響率0.1%・成約率50% 1,000枚 1件 0.5件(1件に満たない=この枚数では受注1件に届かない) 1,000枚×0.1%=1件
同上(受注1件分) 2,000枚 2件 1件 2,000枚×0.1%=2件、2件×50%=1件
同上(月4件分) 8,000枚 8件 4件 8,000枚×0.1%=8件、8件×50%=4件

1行目の成約数0.5件は、計算の途中で出てくる中間の値です。0.5件という受注は現実には存在しないため、受注を1件に届かせたい場合は2行目の2,000枚から考えます。

8,000枚は1回で配りきるのではなく、4,000枚 × 2回に分けて配布します。1回目の結果を踏まえて、2回目の訴求やエリアを調整できるためです。

回収できるかを判断する

1件あたりの粗利を仮に10,000円と置くと、4件の受注で40,000円の粗利になります。印刷と配布にかけた費用の合計が40,000円を下回っていれば回収できており、上回る場合は表面の訴求か、配布する枚数・エリアを見直す判断材料になります。1枚あたりの単価は印刷所・配布事業者ごとに異なります。見積もりで示された1枚あたりの単価に配布枚数を掛けた合計額を、この40,000円という粗利側の数字と並べて比較すると、回収できるかどうかを自分の数字で判断できます。開業時にかかる費用全体との兼ね合いで印刷・配布の予算を決めたい場合は、便利屋開業の資金もあわせて確認してください。

相場の枚数・単価を鵜呑みにしない理由

上で使った反響率0.1%・成約率50%・粗利10,000円は、あくまで計算の仕方を示すための仮の置き値です。実際の数値は地域や訴求内容によって大きく変わります。1回目の配布が終わったら、次章で扱う配布記録シートに実際の問い合わせ数・成約数を記録し、2回目以降はその実測値に置き換えて計算し直してください。

チラシの配布枚数を目標受注件数から逆算する2段の計算式を示した図
配る枚数は、ほしい受注件数から2段で逆算する

チラシを配るエリアと配布計画の決め方

エリアの見立てと、配布記録の記録項目を決めておくと、次回の判断がしやすくなります。

エリアの見立て

配布エリアを決める際は、戸建てと集合住宅の比率、建物の築年数、世帯構成といった地域の見立てを、表面のテーマと照らし合わせます。庭仕事の需要が高いエリアと、家具の移動・不用品整理の需要が高いエリアでは、同じチラシでも反応が変わります。

同じエリアに重ねて配る

便利屋のチラシは、1回配って反応が無かったからといって、向いていないと決められるものではありません。1回の配布だけで判断せず、同じエリアに時期をずらして重ねて配ることで、初回に見送った方に再度届く機会を作れます。前章で求めた8,000枚は、4,000枚ずつ2回に分けて配布する計画にしておくと、1回目の結果を踏まえて2回目の訴求を調整できます。

配布記録シートの列

配布ごとに記録する列は8列です。配布日、エリア名、枚数、問い合わせ数、成約数、作業内容、請求額、気づき、をそれぞれ記録しておくと、便利屋のチラシの2回目以降の枚数計算や訴求の見直しに使える実測データになります。

料金や送客件数が自社に合うか、個別に確認したい方へ

入力内容を確認後、担当者からご連絡します。

対応地域・経験・現場余力から、案件紹介との相性を確認したい方へ

全7問。回答内容をもとに適合性を確認します。

便利屋のチラシは手書きでも成立します

手書き・無料テンプレート・制作依頼のいずれでも、載せる項目9点さえ満たしていれば成立します。

手書き・無料テンプレート・制作依頼の使い分け

配布する枚数が少なく、地域との距離が近い場合は、手書きのチラシでも十分に成立します。ある程度の枚数を配る場合は、無料のテンプレートを使って体裁を整える方法もあります。まとまった枚数を継続的に配る計画がある場合は、制作を依頼する選択肢も検討に値します。いずれの場合も、載せる項目9点を満たしているかを基準に選びます。

印刷と配布、それぞれの費用が決まる要素

印刷と配布では、費用が決まる要素が異なります。見積もりを比較する際の確認項目は次のとおりです。金額そのものは地域・時期・依頼先によって変わるため、下の要素ごとに条件をそろえてから金額を並べると、どの見積もりが自分の計画に合っているかを比べられます。

印刷にかかる5つの要素

  1. サイズ(A4・B5など)
  2. 部数
  3. 用紙の厚み・種類
  4. 色数
  5. 納期

配布にかかる4つの要素

  1. 配布方法(自分で配るか事業者に委託するか、印刷のみか配布まで一括か)
  2. 配布エリアの広さ
  3. 配布期間の長さ
  4. 重さ(配布員1人あたりの負担に関わる要素として)

少部数でも依頼できるか、最低ロットの目安

印刷会社によっては、少部数からでも依頼できる場合と、最低ロット(発注できる最小枚数)が設けられている場合があります。少ない枚数から試したい場合は、最低ロットの有無を見積もり時に確認し、まずは小さく試してから枚数を増やす進め方も選択肢になります。

サイズと用紙の決め方

チラシのサイズは、持ち帰りやすさと、手元に残りやすさのバランスで決めます。小さすぎると情報が入りきらず、大きすぎると持ち帰られずにその場で処分されやすくなります。マグネット式にする、保存版として一覧にまとめるといった「残る紙にする工夫」の具体例は、便利屋 集客を安定させる9つの集客チャネルでも扱っていますので、あわせてご確認ください。

チラシの反応を取りこぼさない受け方

作業中に鳴った電話を、その場でどう受けるかまで決めておくことが、反響を成約につなげる分かれ目になります。

作業中の連絡をどう受けるか

作業中は電話に出られないことを前提に、留守番電話の案内文をあらかじめ用意しておきます。案内文の例としては、「ただいま作業中のため電話に出られません。恐れ入りますが、お名前とご用件をお話しください。作業の合間に確認し、当日中に折り返します」のような文面が考えられます。折り返す時間の目安は、自分の稼働状況(何件の現場を掛け持ちしているか)から現実的に決め、「当日中」「半日以内」のように、実際に守れる範囲で約束します。ショートメッセージでの一次受付を併用すると、電話が苦手な方からの問い合わせも取りこぼしにくくなります。

問い合わせから見積もりまでの流れを先に決める

問い合わせを受けてから、いつ見積もりに伺うのか、その場で契約を急ぐのか、日を置いて判断していただくのか、という流れをあらかじめ決めておきます。その場で契約を急ぐと、相手に不安を与えることがあるため、資料や見積書を渡して、日を置いてご判断いただく進め方を基本にします。

訪問して見積もる場合の説明

ここでの法令の説明は一般的な内容であり、個別の判断は自治体の担当窓口・消費生活センター・弁護士等の専門家にご確認ください。

訪問販売には、原則としてクーリング・オフの仕組みがあります。消費者庁のガイドは、契約の申込みや締結があった場合を念頭に、訪問販売について次のように説明しています(原文の一部を抜粋)。

…法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、消費者は事業者に対して、書面又は電磁的記録により申込みの撤回や契約の解除(クーリング・オフ)ができます。

出典:消費者庁 特定商取引法ガイド 訪問販売

一方、特定商取引法第26条第6項は、「第四条から第十条までの規定は、次の訪問販売については、適用しない。」と定め、第1号で次のように適用除外を設けています。

その住居において売買契約若しくは役務提供契約の申込みをし又は売買契約若しくは役務提供契約を締結することを請求した者に対して行う訪問販売

出典:e-Gov法令検索 特定商取引に関する法律

条文が求めているのは「契約の申込み又は締結」を請求したことであり、便利屋のチラシを見て来訪や見積もりだけを依頼した場合は、この適用除外に当たらないと解される場合があります。原則と例外のどちらに当たるか判断が難しい場合は、原則どおり8日以内のクーリング・オフが適用される前提で、その場で契約を急がず、日を置いてご判断いただく姿勢を基本にしてください。

チラシのクレームが起きたときの対応5手順

クレームが起きたら、その場で配布を止めて記録し、除外リストへの追加と配布計画への反映まで5手順で進めます。

  1. その場で配布を止め、状況を記録する
  2. 事実を確認する(いつ・どこで・どの号室か)
  3. お詫びを伝え、回収を申し出る
  4. 除外リストに追加し、次回から外す
  5. 配布計画へ反映し、同じ指摘が続く要因を1つ直す

理不尽と感じる要求への線引き

謝罪や回収には誠実に応じる一方で、過大な要求まで際限なく受け入れる必要はありません。応じる範囲をあらかじめ決めておくと、その場での判断に迷いにくくなります。

チラシ以外の入口と、役割分担

チラシは集客の入口の1つです。ここではその中でも、チラシとポスティングを主役として扱います。

  1. SEO(自社サイト・記事)
  2. MEO(Googleビジネスプロフィール)
  3. リスティング広告(検索連動型)
  4. SNS(Instagram・X・TikTok・Facebook)
  5. LINE公式アカウント
  6. チラシ
  7. ポスティング
  8. 紹介
  9. 口コミ
  10. 顧客名簿によるリピート依頼
  11. マッチング型サービス(登録型・作業ごとに手数料がかかる形)

チラシと組み合わせる順番

ここで挙げた11種は、集客の入口をどこまで細かく数えるかという粒度で並べたものです。届け方10種は「チラシをどう届けるか」の分類、この11種は「チラシ以外も含めた集客の入口全体」の分類にあたり、既存記事が扱う9種はこれらの入口を運用単位でまとめた分類です。数の違いはこの粒度の違いによるもので、それぞれの入口の具体的な運用方法は、便利屋 集客を安定させる9つの集客チャネルに譲ります。着手する順番としては、まず既存のお客様・ご近所への手渡しや紹介から始め、次にチラシ・ポスティングで地域内の認知を広げ、その後にMEO(Googleビジネスプロフィールへの登録・情報整備)を整え、余力に応じてSEO・SNS・リスティング広告といった継続的な運用へ広げていく、という順が現実的です。リスティング広告は検索連動型の広告として、有効な入口の1つと位置づけています。マッチング型サービスは、作業ごとに手数料がかかる集客手段であり、チラシによる直接集客と組み合わせて使う事業者もいます。

チラシの配布を事業者に頼むときの確認事項

事業者へ委託する場合は、配布方法・報告の形・クレーム対応をあらかじめ確認しておきます。

配布方法と配布報告の形

軒並み配布なのか、戸建て指定・集合住宅指定なのか、事前にどの範囲まで配布してもらえるのかを確認します。配布後にどのような形で報告を受けられるのかも、あらかじめ確認しておくと安心です。

クレーム時の対応と、除外リストの共有

配布中にクレームが発生した場合の対応方法と、投函をお断りされた場所の除外リストを事業者と共有できるかどうかも、委託先を選ぶ際の確認事項になります。

印刷と配布を分けるか、一括にするか

印刷会社と配布事業者を別々に依頼するか、一括で依頼できる事業者に頼むかは、やり取りの窓口をいくつにしたいかで決めます。窓口を1つにまとめたい場合は一括対応の事業者を、印刷・配布それぞれにこだわりたい場合は別々の依頼を検討します。

チラシが向く便利屋・向かない便利屋

チラシがすべての便利屋に向いているとは限らず、向く場合と向かない場合の見極めが必要です。

向く場合

対応地域が狭く絞られている場合、単価の読める作業を主力にしている場合、稼働にまだ余裕がある場合は、チラシによる集客が向いています。

向かない場合

対応地域が広すぎて配布の効果が薄まる場合、すでに稼働が予約で埋まっている場合、電話やメッセージを受ける手段が整っていない場合は、チラシを配る前に、まずその状態を整えることを優先したほうがよいと考えられます。稼働がすでに埋まっている状態の背景を確認したい場合は便利屋の開業は「やめとけ」と言われる理由、動ける時間帯が限られる場合の組み方は便利屋 副業の始め方もあわせて確認してください。

チラシ以外に、案件の入口を外に持つという選び方

自分で配る、配布を委託する、案件の供給を外部に任せる、という3つの選び方には、それぞれ向き不向きがあります。

選び方 自分で持つもの 外部に任せるもの
自分で配る 訴求内容・配布計画・受け方すべて なし
配布を委託する 訴求内容・配布計画 実際の配布作業
案件の供給を外部に任せる 作業そのものの品質 集客の入口そのもの

案件の供給を外部に任せる形(定額で案件をご案内する仕組み)を検討する場合、供給件数は、客観的な有効案件条件を満たす案件の目安です。売上・成約・無条件の最低件数を保証するものではありません。

チラシによる集客は、自分の手元で完結できる集客手段です。一方で、集客の入口そのものを外部に持つという選び方もあり、その場合はマッチング型サービス(登録型・作業ごとに手数料がかかる形)を利用する事業者もいます。どちらか一方に絞る必要はなく、稼働状況や地域の特性に応じて組み合わせる事業者も見られます。加盟型の集客手段を検討する場合の見極め方は、便利屋フランチャイズの選び方を確認してください。

まとめ

便利屋のチラシで集客を始めるにあたり、ここまでの内容を、実際に手を動かす順番で振り返ります。

  1. 表面で訴える作業を1つに決める(裏面で対応範囲を受ける)
  2. 配布エリアと、届け方10種のうち1〜2種を決める
  3. 目標件数から逆算した必要枚数と、2回に分けた配布日を決める
  4. 載せる項目9点のチェックリストを準備する(連絡手段と折り返しの約束を含む)
  5. 投函前に、禁止表示・集合住宅のルールを確認する
  6. 配布記録シートの列を用意する(配布日・エリア・枚数・問い合わせ・成約・作業内容・請求額・気づき)
  7. 反応が無かったときに次に変える1か所を決めておく(訴求・エリア・枚数・受け方のどれか)

案件の供給を外部に任せる形を検討する場合、供給件数は、客観的な有効案件条件を満たす案件の目安です。売上・成約・無条件の最低件数を保証するものではありません。

今週のうちに、1回目の配布日を決められる状態になっていれば幸いです。便利屋のチラシ集客は、1回配って終わるものではなく、記録を残して2回目を組み直すところから安定していきます。

料金や送客件数が自社に合うか、個別に確認したい方へ

入力内容を確認後、担当者からご連絡します。

対応地域・経験・現場余力から、案件紹介との相性を確認したい方へ

全7問。回答内容をもとに適合性を確認します。

よくある質問

便利屋のチラシは手書きでも大丈夫ですか

配布する枚数が少なく、地域との距離が近い場合は、手書きのチラシでも成立します。載せる項目9点を満たしているかどうかを基準に判断してください。

ポスティングは違法になりますか

本記事で確認した範囲では、投函そのものを禁止する条文は確認できませんでした。問題になるのは、正当な理由のない立ち入りや、「チラシお断り」の表示がある場所への投函です。条文の詳細は、ポスティングで守る法令を扱った章を確認してください。なお、ここでの説明は一般的な内容であり、個別の判断は自治体の担当窓口や弁護士等の専門家にご確認ください。

便利屋のチラシは何枚配れば問い合わせが来ますか

反響率や成約率は地域や訴求内容によって大きく変わるため、一律の枚数は示せません。上の計算式に、仮の数値を置いて必要枚数を試算し、1回目の配布結果を記録して、2回目以降は実測値に置き換えることをおすすめします。

「チラシお断り」と書かれた家はどうすればよいですか

その表示を尊重し、投函しないでください。チラシの文面に「投函をお断りの方はご一報ください、以後控えます」という一文を入れておくと、地域との関係を保ちやすくなります。

反応がまったく無かった場合、次に何を変えればよいですか

表面の訴求、配布エリア、配布枚数、反応の受け方のうち、どれか1か所に絞って見直すことをおすすめします。配布記録シートに記録した実測値をもとに、次回の1回目でどこを変えるかを決めてください。

出典(チラシとポスティングに関する法令・ガイド)

引用した法令・ガイドの一覧です。

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