MENU

便利屋が暇で仕事ないときの原因診断と空き枠を埋める7手順

便利屋が暇で仕事ないときの原因診断と空き枠を埋める7手順

先週まで埋まっていた予定表に、ぽつぽつと空白が増えてきました。電話もメールも、思ったほど鳴りません。「このまま仕事が減っていくのではないか」という不安を抱えながら、この記事を開いた方も多いのではないでしょうか。

結論から先にお伝えします。本記事では、便利屋が暇で仕事ないと感じる原因を、需要そのものが消えたことではなく、問い合わせから成約、そして再依頼までのどこかで流れが止まっていることだという前提で切り分けます。原因の場所さえ特定できれば、打つべき手は驚くほど絞り込めます。

この記事を読み終えたとき、次の状態になっていることを目指します。直近3か月の問い合わせ件数・見積提出件数・成約件数・再依頼件数という4つの実数を紙に書き出せること、自分の暇が4つのタイプのどれに当てはまるかを判定できること、今日やること・3日以内にやること・7日以内にやることを予定表に書き込めること、名簿から10件を選び最初の連絡を今日中に始められること、そして次の閑散期に備えて暇な時間にやる仕込み作業を決められることです。

本記事は、便利屋・一人親方として独立して働く方に向けて、今の暇をどう診断し、どこから動かすかを一つずつ確認できるようにまとめました。便利屋が暇で仕事ないと感じたときほど、原因を焦って決めつけないことが大切です。集客チャネルの一つひとつの使い方は便利屋 集客を安定させる9つの集客チャネル|単発を継続案件へに、料金の決め方や時間単価の考え方は料金の決め方を解説した記事に譲ります。

目次

便利屋が「暇で仕事ない」と感じたら、最初に確かめる4つの実数

便利屋が暇で仕事ないときは、問い合わせ・見積提出・成約・再依頼の4つを直近3か月で数えます。

感覚だけで「なんとなく暇だ」と判断すると、対策の方向を誤りやすくなります。まずは4つの実数を書き出し、そこから見積提出率・成約率・再依頼率という3つの割合を出します。

数える対象は「問い合わせ・見積・成約・再依頼」の4つだけでよい

数える項目は多く見えますが、実際は次の4つだけです。

  1. 問い合わせ件数(電話・メール・フォーム・紹介経由すべての合計)
  2. 見積提出件数
  3. 成約件数
  4. 再依頼件数(当期に成約した案件のうち、過去に依頼のあった顧客からの件数)

この4つから、見積提出率=見積提出件数÷問い合わせ件数、成約率=成約件数÷見積提出件数、再依頼率=当期の成約件数のうち過去に依頼のあった顧客からの件数が占める割合、という3つの割合を計算します。この3つの割合を並べるだけで、どこで流れが細くなっているかが見えてきます。問い合わせ自体が少ないのか、問い合わせはあるのに見積や成約に結びついていないのか、それとも一度依頼してくれた顧客から次の声がかからないのか、原因の置き場所によって次に打つべき手はまったく変わってきます。

4つの実数を、手元の記録から拾う

手元に電話の着信履歴、メールの受信箱、見積書の控え、請求書の控えがあれば、それだけで十分に数えられます。特別な集計ソフトは必要ありません。

記入例を挙げます。ある月の実績として、問い合わせが8件、見積提出が6件、成約が3件、そのうち過去に依頼のあった顧客からの再依頼が2件だったとします(いずれもこの記入例のみの数値であり、実績の断定ではありません)。この場合、見積提出率は6件÷8件で75パーセントという計算になります。あわせて、成約率は3件÷6件で5割という計算になります。再依頼率は前述の定義に沿って「当期の成約3件のうち、過去に依頼のあった顧客からの件数2件」で2件÷3件、67パーセントという計算になります。この3つの割合を3か月分並べて眺めると、どの割合が下がってきているかが分かります。

紙のノートでも、スマートフォンのメモアプリでも構いません。大切なのは「数える」という行為そのものを習慣にすることです。

数字が出せないときは、今日から数え始める

もし過去の記録が残っておらず、今すぐには4つの実数が出せないという場合は、それ自体が一つの発見です。記録が残っていないということは、これまで感覚だけで経営してきたということであり、今日からで構いませんので数え始めることをおすすめします。今日の問い合わせが何件あったか、そのうち見積を出したのは何件かを、まずは1週間続けて記録してみてください。

便利屋の暇を4タイプに分ける判定図
4つの実数から、自分の暇がどのタイプかを判定する

便利屋の暇は4タイプに分かれる|自分がどれかを判定する

暇は届いていない、取りこぼし、積み上がり不足、波の4タイプに分かれ、打ち手が変わります。

先ほどの4つの実数が出せたら、次は自分の状態がどのタイプに当てはまるかを判定します。タイプによって、次に打つべき手がまったく変わってくるためです。

  1. タイプA 届いていない(問い合わせそのものが少ない)
  2. タイプB 取りこぼしている(問い合わせはあるが決まらない)
  3. タイプC 積み上がっていない(一度ご依頼いただいた顧客から声がかからない)
  4. タイプD 波に沿っていない(季節と曜日で読める減り方)

タイプA 届いていない(問い合わせそのものが少ない)

問い合わせ件数そのものが以前より減っている状態です。見積提出率や成約率は変わっていないのに、そもそもの入口が細くなっているケースがこれに当たります。この場合は、案件の入口を増やす、あるいは既存の入口の見えやすさを見直すことが優先になります。

タイプB 取りこぼしている(問い合わせはあるが決まらない)

問い合わせ件数は変わらないか、むしろ増えているのに、見積提出や成約に結びついていない状態です。返信が遅れている、見積の内容が分かりにくい、対応できる作業の範囲が伝わっていないなど、入口から成約までの間のどこかに詰まりがあることが多いパターンです。

タイプBの中でも見落としやすいケース:比較負けが起きている場合

便利屋が暇で仕事ないと感じる場面では、比較負けが起きていないかも合わせて確認してください。タイプBの中には、見積までは順調に進むのに、専門の業者と比べられて依頼が流れてしまうケースが含まれます。見積提出率は下がっていないのに成約率だけが下がっている場合、原因は対応の遅さではなく、専門業者と横並びで比較されて選ばれていないことが考えられます。この場合は、対応できる作業をすべて並べるのではなく、得意分野を1つ明確に立てて打ち出すことが有効です。「何でも屋」としてではなく、「この作業ならここに頼みたい」と思ってもらえる領域を1つ持つことで、比較の土俵そのものを変えることができます。

タイプC 積み上がっていない(一度ご依頼いただいた顧客から声がかからない)

一度ご依頼いただいた顧客から、次の連絡が来ない状態です。単発の仕事は決まっているのに、リピートや紹介につながっていないため、毎回ゼロから新規を探す状態が続いてしまいます。名簿の整備や、次の依頼につながる一言を仕事の最後に添える工夫が効いてくる領域です。

タイプD 波に沿っていない(季節と曜日で読める減り方)

問い合わせ・見積・成約・再依頼のいずれの数字も、特定の時期に決まって落ち込む状態です。これは経営の欠陥というより、季節や天候による需要の波であることが多く、今の落ち込みを慌てて埋めようとするより、年間を通じた組み立てで備えるほうが合理的です。

タイプ判定の早見表

状態 問い合わせ件数の推移 見積提出率 成約率 再依頼率(前述の定義) 該当タイプ
入口が細い 減っている 変化なし 変化なし 変化なし タイプA
決め切れていない、または比較負けが起きている 変化なし 変化なし〜下がっている 下がっている 変化なし タイプB
次が続かない 変化なし 変化なし 変化なし 下がっている タイプC
時期による波 特定の時期に一斉に減る 特定の時期に一斉に減る 特定の時期に一斉に減る 特定の時期に一斉に減る タイプD

複数のタイプに同時に当てはまることもあります。その場合は、最も数字の落ち込みが大きい項目から優先して手を打つことをおすすめします。

料金や送客件数が自社に合うか、個別に確認したい方へ

入力内容を確認後、担当者からご連絡します。

便利屋に案件が来ないのは需要のせいか、導線のせいか

便利屋に案件が来ない原因は、需要より導線側にあることが多く、年齢層で媒体を選び直します。

便利屋が暇で仕事ないと感じたとき、まず見極めたいのが立ち上げ期なのか失速期なのかという区別です。便利屋に案件が来ないという悩みには、大きく分けて二つの色があります。一つは開業直後で、そもそもの認知がまだない立ち上げ期。もう一つは、一度は回っていたのに問い合わせが減ってきた失速期です。原因の置き場所が違うため、まずどちらの状態かを見極めます。

立ち上げ期と失速期では、原因の置き場所が違う

立ち上げ期は、地域での認知そのものがまだ形成されていない段階です。この場合はタイプAに近く、まず入口を増やし、見つけてもらえる場所を広げることが優先になります。開業直後で認知形成に不安がある場合は、開業の全体像をまとめた記事や、副業から便利屋を始める場合の記事もあわせてご確認ください。

一方、失速期は、以前は機能していた入口や仕組みが、何らかの理由で効かなくなっている段階です。掲載していた媒体の表示順位が下がった、以前の顧客からの紹介が一巡した、季節要因で需要そのものが細っているなど、原因はさまざまです。まず4つの実数を振り返り、どこで流れが変わったかを確認することが優先になります。

紙とWebの配分は、狙う年齢層で決める(公的データの読み方)

チラシとインターネット、どちらに力を入れるべきかは、好みではなく狙う年齢層で決めるべき判断です。

紙とWebのどちらに寄せるかは、狙う年齢層によって答えが変わります。年齢階層別の利用状況を示す公的な統計は総務省の情報通信白書で公表されていますので、商圏の年齢構成と併せて確認してみてください。

参考:総務省 情報通信白書(各年版)

ここで避けたいのは、「高齢のお客様はインターネットを見ない」「若い人は紙を見ない」という思い込みだけで配分を決めてしまうことです。実際にどちらが効いたかは、問い合わせを受けたときに「何をご覧になりましたか」と一言たずねて記録すれば、自分の商圏の実態として溜まっていきます。紙だけに寄せる判断も、Webだけに寄せる判断も、この記録が無いうちは根拠が弱くなる、という配分の話として捉えてください。

自分の商圏で「見えているか」を確かめる3つの確認

  1. 自分の屋号や連絡先で検索したとき、地図情報や事業者の情報が正しく表示されるか
  2. 過去に配布したチラシや看板が、今も現役の状態で残っているか
  3. 紹介してくれた顧客に、今の連絡先や対応できる作業の範囲が正しく伝わっているか(なお、こちらから個人宅を訪問して作業を勧誘する場合は特定商取引法上の訪問販売に該当し得るため、勧誘や書面交付に関するルールを事前に確認してください。参考:消費者庁 特定商取引法ガイド(訪問販売)

この3点は、いずれも新たな費用をかけずに今日確認できる項目です。

空き枠を埋める手順を今日・3日以内・7日以内で並べた図
空き枠を埋める手順を時間軸で並べる

便利屋の空き枠を埋める7手順(今日/3日以内/7日以内)

空き枠は既存の顧客名簿と未成約の見積への連絡から埋め、3日以内に外部の入口を広げます。

ここからは、実際に予定表の空白を埋めていくための7つの手順です。今日・3日以内・7日以内の順に、7つの手順を並べます。

  1. 顧客名簿から10件を選び、今日中に連絡を始める
  2. 見積を出したまま成約に至っていない案件に、今日中に一度連絡する
  3. 協力関係にある同業者や職人仲間に、空き枠がある旨を3日以内に共有する
  4. 地域の掲示板や地図情報の登録内容を、3日以内に見直す
  5. 販促物(チラシ・案内状など)の配布先を、効果が見込める3か所に絞って3日以内に動かす
  6. 4つの実数を振り返り、最も止まっている箇所を7日以内に1つ選んで手を打つ
  7. 受注が決まった仕事の最後に、次につながる一言を添える仕組みを7日以内に整える

今日やる2つ(名簿10件・未成約の見積)

最初の2つは、今日中に着手できる項目です。名簿から10件を選ぶ基準は、依頼から半年以上連絡を取っていない顧客を優先することです。半年という区切りに厳密な根拠はありませんが、季節の変わり目や年に一度の作業(換気扇の掃除、庭木の手入れなど)を思い出していただくタイミングとして扱いやすい期間です。

未成約の見積についても、金額を再提示するのではなく、まず状況を尋ねる形で連絡することをおすすめします。

3日以内にやる3つ(協力先への空き枠共有・地域の掲示板と地図情報・販促物の配布先を3か所に絞る)

協力関係にある同業者や職人仲間との連携は、費用をかけずに動かせる手段です。自分では対応しきれない依頼を紹介し合う関係を普段から作っておくと、空き枠があるときにも声をかけてもらいやすくなります。

地域の掲示板や地図情報については、登録内容が古いままになっていないか、電話番号や対応エリアが最新の状態になっているかを確認します。

販促物の配布先を絞る際は、広く浅くではなく、過去に反応があったエリアや、対応実績のある物件の種類に近い場所を優先します。

7日以内にやる2つ(止まっている箇所を1つ塞ぐ・受注の最後に「次」を置く)

4つの実数を振り返り、最も落ち込みが大きい箇所を1つだけ選んで手を打ちます。複数の箇所を同時に直そうとすると、どの対策が効いたのかが分からなくなるため、まずは1つに絞ることをおすすめします。

受注した仕事の最後に、次につながる一言を添える仕組みも整えておきます。「何か気になる箇所があれば、いつでもご連絡ください」といった一言を、作業完了時に必ず伝えるようにするだけでも、再依頼につながる入口が一つ増えます。

連絡でふれる内容の型(催促にしないための言い回し)

既存の顧客や未成約の見積先に連絡する際、催促のような印象を与えないための言い回しの型を紹介します。

「以前ご依頼いただいた際のご様子はいかがでしょうか」「季節の変わり目ですので、気になる箇所があればお気軽にお声がけください」といった、相手の状況を尋ねる形の言い回しであれば、押し売りの印象を与えにくくなります。逆に「そろそろいかがですか」「お得な期間中です」といった、こちらの都合を前面に出す言い回しは避けたほうが無難です。

連絡の手段も、相手の年齢層に応じて電話・メール・郵送(はがきや手紙)を使い分けることをおすすめします。高齢の顧客には電話や郵送でのご案内も選択肢に加えると、連絡が届かないという事態を防ぎやすくなります。

便利屋が暇なときこそ使える、稼働率という見方

稼働率は実働時間を受注できる時間で割って出し、単価を下げる前に分母の余りを確かめます。

便利屋が暇で仕事ないと感じたときに、真っ先に単価を下げることを考える方は少なくありません。しかし、単価を下げる前に確認しておきたい考え方があります。それが稼働率です。稼働率という考え方の成り立ちや時間単価への組み込み方は、料金の決め方を解説した記事で扱っています。本記事では、暇な時間ができたときに単価を下げる前に確認する「分母の余り」という使い方に絞って扱います。受注量や実働時間の限界、対応できない依頼の断り方については、一人で回す限界と対応できない依頼の断り方をまとめた記事もあわせてご覧ください。

稼働率の出し方(実際の数字で計算してみる)

稼働率は、実際に作業に充てた時間を、本来受注できたはずの時間で割ることで求められます。

記入例として、1週間の受注できる時間が40時間、実際に作業に充てた時間が24時間だった場合、稼働率は24時間÷40時間で60パーセントという計算になります(この記入例のみの数値です)。この場合、残りの16時間が空いている状態であり、その空き時間をどう埋めるかが検討材料になります。

稼働率が低いときに、単価を下げると何が起きるか

稼働率が低いときに単価を下げると、同じ売上を得るために必要な件数が増え、結果として移動時間や見積対応の時間が増加します。すると、実働時間あたりの手取りが下がるだけでなく、繁忙期に体力を温存しておく余裕も失われます。

記入例として、単価を1割下げた場合、同じ売上を維持するには件数をおよそ1割強増やす必要が出てきます(この記入例のみの試算であり、実際の増加率は原価構成によって変わります)。単価を下げる前に、まずは稼働率の分母である「受注できる時間」に余りがあるのかどうかを確認することをおすすめします。逆に、単価そのものを上げたい場合の伝え方については、単価の上げ方・値上げの伝え方をまとめた記事で扱っています。

料金や送客件数が自社に合うか、個別に確認したい方へ

入力内容を確認後、担当者からご連絡します。

対応地域・経験・現場余力から、案件紹介との相性を確認したい方へ

全7問。回答内容をもとに適合性を確認します。

便利屋の暇な時間を仕込みに変える作業リスト

暇な時間を「何もしていない時間」のままにせず、次の受注につながる仕込みの時間に置き換える発想です。忙しい時期にはどうしても後回しになってしまう作業を、この機会にまとめて片付けておくという考え方です。

次の受注につながる4つの仕込み作業

  1. 過去の作業写真を整理し、依頼を検討している方に見せられる形にする
  2. 料金の見せ方(何にいくらかかるかの提示の仕方)を分かりやすく整える
  3. 顧客名簿を整理し、連絡先や依頼内容、次に声をかけるべき時期を記録する
  4. 対応できる作業の幅を広げるために必要な許可や届出について、要件を確認しておく

これらはいずれも、忙しい時期には手を付けにくい作業です。暇な時間をこうした仕込みに充てることで、繁忙期の受注力そのものを底上げすることができます。対応できる作業の範囲を広げる際に必要になる資格や許可については、必要な資格や許可をまとめた記事で要件を整理しており、不用品の買い取りなど古物を扱う場合の届出については古物商許可についてまとめた記事もあわせてご確認ください。

暇なときにやらないほうがよいこと

暇だからといって、根拠のない値下げを急いで発表したり、対応できる作業の範囲を無理に広げすぎたりすることはおすすめしません。値下げについては前述のとおり稼働率を確認してからの判断が望ましく、対応範囲を急に広げると、経験の浅い作業でトラブルを招くリスクがあります。焦って動くよりも、まずは4つの実数とタイプ判定に基づいた手を優先してください。

便利屋の仕事の波を前提に、年間で組み立てる

季節で動く作業と年間を通す作業を分け、閑散期は定期契約や法人依頼で波を均します。

便利屋の仕事には、季節や気候によって動く作業と、年間を通して安定して動く作業があります。この二つを組み合わせて年間の予定を組み立てておくことで、特定の時期の落ち込みに慌てずに済むようになります。

季節で動く作業と、年間を通して動く作業

草刈りや庭木の手入れのように気候に左右される作業がある一方で、家具の移動や不用品の片付けのように季節を問わず一定の需要がある作業もあります。自分が対応している作業を洗い出し、季節性があるものとないものを分けて把握しておくと、閑散期に何を提案すべきかが見えやすくなります。

閑散期に効く受注の型(定期・法人・単価より回数)

閑散期の落ち込みを緩和する型として、単発の依頼を積み上げるのではなく、定期契約や法人からの依頼を組み合わせるという考え方があります。個人宅からの単発依頼だけに頼っていると、季節や天候の影響を強く受けますが、定期的な清掃や管理業務、法人からの継続的な依頼を一定数持っておくことで、波の影響を和らげることができます。単価そのものを追うより、安定した回数を確保する発想がここでは有効です。

便利屋が案件の入口17種を、即応性の高さで並べ替える

案件の入口は17種あり、今日動かせるものと数週間かかるものを分けて組み合わせます。

案件の入口は一つに絞らず、複数を組み合わせておくことが望ましいと考えます。ここでは17種類の入口を、即応性(今日から動かせるか、それとも準備に時間がかかるか)で分類します。以下の並び順は優先順位ではなく、あくまで分類のための並びです。それぞれのチャネルの具体的な使い方や設定方法は便利屋 集客を安定させる9つの集客チャネル|単発を継続案件へに、固定費として捉えた入口の比較は料金の決め方を解説した記事に譲ります。既存記事は9つのチャネルを「資産になるか(資産型/消費型)」という軸で分類し、料金の記事では入口を「1件あたりの獲得費用と、手数料が単価から引かれるか」という軸で11チャネルに整理していますが、本記事では既存記事の入口群に、4つの入口(飛び込み・訪問営業/地域の店舗や自治会・町内会との連携/看板や車両への表示/未成約の見積先への再連絡)を加えたうえで、「今日、追加の費用をかけずに動かせるか」という即応性の軸で17種に並べ替えています。数の違いは分類の軸が異なることと、入口を新たに加えたことの両方によるものであり、内容が矛盾するものではありません。

  1. 既存顧客への連絡(名簿がある場合、今日から動かせます)
  2. 未成約の見積先への再連絡(今日から動かせます)
  3. 飛び込み・訪問営業(すぐに動き出せますが、成果につながるまでには時間と工夫を要します。個人宅を訪問して作業を勧誘する場合は特定商取引法上の訪問販売に該当し得るため、勧誘や書面交付に関するルールを確認してから行ってください。参考:消費者庁 特定商取引法ガイド(訪問販売)
  4. 協力関係にある同業者からの紹介(関係があれば数日で動かせます)
  5. 口コミ・依頼者からの評価の蓄積(同業者からの紹介とは別に、依頼者自身の評価を集めます。効果が出るまでには時間がかかります)
  6. 地域の掲示板(登録内容の見直しであれば数日で動かせます)
  7. 地域の店舗や自治会・町内会などの団体との連携(回覧板や掲示板を通じた紹介。関係構築には時間がかかります)
  8. 地図情報サービス(MEO、Googleビジネスプロフィールなど)への登録内容の見直し(数日で動かせます)
  9. チラシのポスティング(投函・手配り・設置を「紙の販促物の配布」として1つの入口にまとめています。印刷や配布の手配に数日から1週間程度かかることが多いです)
  10. 看板や車両への表示(制作に1週間以上かかることが多いです)
  11. 自社ホームページ・記事での情報発信(検索からの流入。整備に時間がかかりますが、一度整えれば継続的に効きます)
  12. SNSでの発信(開設自体は今日からでも、認知の蓄積には時間がかかります)
  13. LINE公式アカウント(既存顧客への再依頼の連絡手段として、開設は数日で動かせます)
  14. リスティング広告(検索連動型。出稿自体は数日で始められますが、費用が継続的に発生します)
  15. 元請けとなる法人への営業(関係構築に時間がかかります。下請けからの脱却や元請けとの関係づくりは一人親方が下請け脱却する3つのルートと案件の増やし方で詳しく扱っています)
  16. 登録型サービス(作業ごとに手数料がかかる形。登録自体は数日で完了します)
  17. 定額の案件供給を受ける仕組み(後述。契約手続きに一定の期間を要します)

チラシの作り方や配布方法の詳細はチラシの作り方や配布方法をまとめた記事にまとめています。

即応性の高い入口・低い入口

即応性が高いのは、既存の関係や登録内容の見直しだけで対応できる入口(既存顧客への連絡、未成約の見積先への再連絡、飛び込み・訪問営業、協力先からの紹介、地域の掲示板、地図情報の見直し)と、開設自体はすぐに動かせるSNSやLINE公式アカウントです。一方、チラシ・看板・自社ホームページ・元請け法人への営業・地域の店舗や団体との連携は、準備や関係構築に時間がかかる入口であり、今日明日の空き枠を埋めるというよりは、中長期の入口の太さを整える位置づけになります。口コミの蓄積、リスティング広告、登録型サービス、定額の案件供給は、いずれも外部の仕組みや評価の積み上がりを利用する入口であり、継続的な費用や時間を伴います。

入口を1本にしないための組み合わせ方

一つの入口が止まると収入がゼロに近づくため、本記事では複数を組み合わせる前提で並べています。即応性の高い入口で今の空き枠を埋めながら、並行して中長期の入口を育てていく、時間軸を分けた組み合わせ方をおすすめします。

便利屋が案件の入口を増やす4つの選び方(自力・広告・紹介・定額供給)

入口の増やし方は自力・広告・紹介・定額供給の4つに分かれ、費用と関係の残り方が違います。

案件の入口を増やす方法は、性質によっておおよそ4つに分けて考えることができます。それぞれ費用の出方、手元に残る顧客との関係、やめたときの影響が異なります。

4つの性質を比べる(費用の出方・手元に残る顧客・止めたときの影響)

方法 費用の出方 手元に残る顧客との関係 止めたときの影響
自力(名簿・紹介・口コミ・地域の情報発信) 基本的に時間のみ 直接の関係が残る 影響は緩やか
広告(チラシ・看板・リスティング広告など) 出稿のたびに費用が発生 広告経由の場合は関係が薄いこともある 出稿を止めると効果も止まる
紹介(同業者・法人からの紹介) 紹介料が発生する場合がある 紹介元との関係に依存する 紹介元との関係が切れると影響が大きい
定額の案件供給 月額固定の費用 案件ごとの顧客との関係は自分に残る 契約を終了すると供給も止まる

当社(つむぐ屋)が提供している定額の案件供給について

当社(つむぐ屋)では、月額固定の費用で案件の供給を受けられる仕組みを提供しています。1枠あたり月額66,000円(税込)で、月18〜25件を目安に案件の供給を行っており、成約後の紹介手数料や売上歩合は発生しません。

供給件数は、客観的な有効案件条件を満たす案件の目安です。売上・成約・無条件の最低件数を保証するものではありません。

案件の契約主体は職人ご本人であり、当社は集客・受付・LPのレンタル・案件の差配・システムの提供・仲介を担う立場です。施工そのものの責任は職人ご本人に帰属します。

どれを選ぶかの分かれ道

入口を選ぶ際の分かれ道は、今すぐ費用をかけずに動きたいのか、それとも一定の固定費を払ってでも入口の数そのものを増やしたいのか、という点です。まずは自力でできる範囲(既存顧客への連絡、名簿の整備、紹介関係の構築)から着手し、それでも空き枠が埋まりきらない場合に、広告や定額の案件供給といった費用のかかる入口を検討する、という順序をおすすめします。

便利屋が暇で仕事ないときのよくある質問

Q. 便利屋が暇で仕事ないのは、自分の腕が悪いからでしょうか。

A. 必ずしもそうとは限りません。本記事では、暇の原因は需要そのものの消失よりも、問い合わせから成約、再依頼までの導線のどこかが止まっていることが多いという前提で扱っています。まずは4つの実数(問い合わせ件数・見積提出件数・成約件数・再依頼件数)を確認し、どこで流れが止まっているかを見極めることをおすすめします。見積提出率が下がっていないのに成約率だけが下がっている場合は、専門業者との比較負けが起きていないかも確認してください。

Q. 値下げをすれば仕事は増えますか。

A. 値下げによって一時的に問い合わせが増える可能性はありますが、稼働率(実働時間÷受注できる時間)に余りがない状態で単価を下げると、同じ売上を得るために必要な件数が増え、実働時間あたりの手取りが下がるおそれがあります。値下げを検討する前に、まず稼働率を確認することをおすすめします。

Q. 開業してからどのくらいで便利屋業は廃業してしまうのでしょうか。

A. 本記事で確認した範囲では、便利屋業に限定した公的な統計は見当たりませんでした。特定の年数や割合を断定することは避け、まずは4つの実数を継続して記録し、自分の状態を把握することをおすすめします。稼げない・儲からないと感じる理由や手残りの構造について詳しく知りたい場合は、便利屋は稼げない?儲からない7つの理由と手残りの増やし方もあわせてご覧ください。

Q. 高齢のお客様が多いエリアでは、チラシだけに力を入れたほうがよいでしょうか。

A. どちらか一方に寄せる前に、自分の商圏で何が届いているかを記録することをおすすめします。問い合わせを受けたときに「何をご覧になりましたか」と一言たずねて残しておくと、紙とWebの配分を自分の実績で決められるようになります。年齢階層別の利用状況は総務省の情報通信白書でも公表されているため、商圏の年齢構成と併せて確認してみてください。

Q. 定額の案件供給を利用すれば、必ず予定表は埋まりますか。

A. 供給件数は、客観的な有効案件条件を満たす案件の目安です。売上・成約・無条件の最低件数を保証するものではありません。まずは本記事の4つの実数とタイプ判定、7手順による自力の対策を組み合わせたうえで、入口の一つとして検討することをおすすめします。

まとめ|便利屋が暇で仕事ないときに、今日から動かす順番

  1. 直近3か月の問い合わせ件数・見積提出件数・成約件数・再依頼件数という4つの実数を書き出す
  2. その数字から、暇が4タイプ(届いていない・取りこぼしている・積み上がっていない・波に沿っていない)のどれに当てはまるかを判定する
  3. 今日中に、名簿から10件への連絡と未成約の見積への連絡を始める
  4. 3日以内に、協力先への空き枠共有、地域の掲示板と地図情報の見直し、販促物の配布先の絞り込みを行う
  5. 7日以内に、最も止まっている箇所を1つ選んで手を打ち、受注の最後に次につながる一言を添える仕組みを整える
  6. 稼働率(実働時間÷受注できる時間)を確認してから、単価の見直しを検討する
  7. 暇な時間を、写真整理・料金の見せ方・名簿整備・許可や届出の準備といった仕込みに充てる

便利屋が暇で仕事ないという状態は、多くの場合、需要そのものが消えたのではなく、導線のどこかが止まっているサインです。慌てて値下げに走る前に、まずは数字を確認し、自分の状態を正しく把握することから始めてみてください。仕事ないと感じる時間も、数字を整えて次の一手を選べば、仕込みの時間に変えることができます。この記事が、皆様の便利屋経営を安定させる一助となれば幸いです。

料金や送客件数が自社に合うか、個別に確認したい方へ

入力内容を確認後、担当者からご連絡します。

対応地域・経験・現場余力から、案件紹介との相性を確認したい方へ

全7問。回答内容をもとに適合性を確認します。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次