MENU

便利屋のポータルサイト比較|登録前の7確認と手数料の見方

登録した掲載先から案件は来ます。ただ、手数料を引いた後に残る額を見て、「これを続けるのが正しいのか」と手が止まることがあります。そんな夜を過ごしたことのある方に向けて、この記事を書いています。

じつは、比べるべきなのは手数料の数字ではなく、その掲載先がどの型で、規約に何が書いてあるかです。なぜなら、掲載を断られる基準も、表示の順番の決まり方も、辞めたときに何が残るかも、規約と型で決まっているからです。ここでは、掲載先を5つの型に分け、登録前に確かめる7項目、口コミを集めるときの線、経由で知った顧客への連絡の考え方、やめるときの手順まで順にお伝えします。読み終えて頂ければ、いま登録している掲載先を続けるか、減らすか、やめるかを、自分の記録に基づいて決められます。

TOC

便利屋のポータルサイトは、呼び名がいくつも使われている

呼び名は「ポータルサイト」「集客サイト」「マッチングサイト」など複数あり、同じ仕組みを指しているとは限りません。

「ポータルサイト」「集客サイト」「マッチングサイト」という言葉は、同じ意味で使われていないことがあります。同じサービスを指していても、書き手によって呼び方が違うため、便利屋がこれから登録先を探すときに、まず言葉の混乱に足を取られてしまいます。呼び名が「掲載」なのか「登録」なのか「マッチング型サービス」なのかで、実は費用の出方も仕組みも別物であることが少なくありません。

「ポータル」「集客サイト」「マッチングサイト」が同じ意味で使われていないか

たとえば、あるサイトは「便利屋を探す人向けの検索ポータル」であり、また別のサイトは「案件が配信されるマッチング型サービス」です。どちらも「便利屋 ポータルサイト」というキーワードで検索に出てきますが、便利屋の側から見た負担のかかり方はまったく違います。

なお、案件の取り方・受注経路そのものの全体像(飛び込み営業や既存客からの紹介など、掲載先以外の受注経路も含めた比較)は、便利屋 集客を安定させる9つの集客チャネル|単発を継続案件へで扱っています。本記事は、掲載先(ポータル・登録型サービス)というチャネル1本に絞って掘り下げます。

便利屋が使う掲載先を5つの型に分ける

便利屋が使う掲載先を5つの型に分類し費用の出方と顧客の帰属で対比した図

便利屋が使う掲載先は、大きく5つの型に分けて考えると整理しやすくなります。

同じ「登録」という言葉でも、露出だけを買う形と、案件そのものが配られる形とでは、かかる費用の性質がまるで違います。まずは自分がいま使っている(あるいはこれから使おうとしている)掲載先が、どの型に当たるのかを確認してください。

  1. 型①掲載型 ― 事業者の情報を検索結果やディレクトリに載せる形です。掲載料や月額の固定費用が中心で、案件が入るかどうかは掲載側の努力(プロフィールの充実度、地図対策など)に左右されます。
  2. 型②登録型 ― 事業者情報を登録すると、条件に合う案件が個別に配信される形です。案件ごとに成約手数料や紹介料が発生する仕組みで、費用は案件が成立した分だけ生じます。
  3. 型③地域掲示板型 ― 地域を絞った掲示板やクラシファイド形式のサービスです。無料枠を設けている場合があり、初めて登録する事業者が「1件目」をつくる場として使われやすい一方、案件の質にばらつきがあります。無料枠を使った「ゼロから一件目」のつくり方は、便利屋 集客を安定させる9つの集客チャネル|単発を継続案件への「地域の掲示板サービスで『ゼロから一件目』をつくる」で扱っています。
  4. 型④専門特化型 ― 家具移動、草刈り、片付けなど特定の作業ジャンルに絞ったサイトです。競合が絞られる分、単価交渉がしやすいこともありますが、対応できる作業の幅は限られます。
  5. 型⑤本部・定額型 ― フランチャイズ本部やそれに準じる仕組みが、月額の定額料金と引き換えに、一定の目安件数の案件を配信する形です。成約時に別途の紹介手数料が発生するかどうかは、本部ごとに設計が異なります(この型を検討する場合の見極め方は、案件を定額で受け取る道を扱う章で触れています)。

複数の型に当てはまる場合は、まず費用の出方(先に出るか、成約後に出るか)で型①か型②かを決め、そのうえで「地域限定」「ジャンル限定」という性格を補足として捉えてください。たとえば草刈り専門で成約時に手数料がかかるサイトは、主軸としては型②登録型、補助として型④専門特化型の性格を持つ、という見方になります。

型ごとの違いを一言でまとめると、「露出を買うのか」「案件そのものを買うのか」という軸で分かれている、ということです。なお、型を問わず共通する強みは、自分から営業しなくても案件情報が届き、空いた稼働枠を埋めやすくなることです。この強みと引き換えに生じる費用の出方については、費用の出方の章で整理しています。

便利屋のポータルサイトの候補を探し、どの型かを見分ける手順

掲載先の候補は検索語の組み立て方で集められ、どの型かは料金ページの表記で見分けられます。

まず、探すときの検索語は、作業ジャンルと地域に「掲載」「加盟」「登録」のいずれかを足す形で組み立ててみてください。依頼する側の言葉(たとえば「草刈り 業者」)だけで調べると顧客向けのページばかりが並ぶため、事業者として載る側の言葉を足すのが要点です。

次に、見つけたサイトの料金ページを開いて表記を見ます。「掲載料」「月額」という表記が中心なら型①掲載型、「成約手数料」「紹介料」という表記が中心なら型②登録型で、同じ「登録」という入口でも費用の出方は逆になります。

最後に、「掲載希望の方へ」「加盟をご検討の方へ」といった掲載事業者向けのページが用意されているかを確認します。事業者向けのページが見当たらない場合は、事業者の募集をしていない検索サイトか、募集の条件を問い合わせでしか開示していない可能性があります。

便利屋のポータルサイトは費用の出方で見ると全く別物になる

同じ「登録」でも、費用が先に出る形と、成約した後に出る形とでは、負担の感じ方がまったく異なります。

費用が先に出る形と、成約後に出る形

掲載型・専門特化型・本部・定額型は、月額または年額の固定費用が先に発生する仕組みです。案件が来なくても費用は出ていくため、「登録しているのに元が取れているか分からない」という不安につながりやすいのが特徴です。

一方、登録型は案件が成約したときに手数料が発生する仕組みです。初期費用がかからない分、案件が集中したときの手数料負担が積み上がりやすく、見積もりの段階で価格を下げないと選ばれない、という競争につながることがあります。

手元に残るものの違い

費用の出方だけでなく、「手元に何が残るか」も型によって差があります。固定費用型は掲載を続ける限り情報が残り、指名検索などの露出が積み上がる一方、成約課金型はその案件限りの関係で終わることもあります。差し引かれる手数料が実質いくらになるか、顧客との関係が自社に積み上がらない負担をどう見るかは、便利屋 集客を安定させる9つの集客チャネル|単発を継続案件への「マッチング型サービスへの依存の『本当のコスト』を数字で整理する」(見えるコストと見えないコスト)で扱っています。

手数料の「見方」を規約のどこで確認するか

料金や送客件数が自社に合うか、個別に確認したい方へ

入力内容を確認後、担当者からご連絡します。

手数料の負担感を金額の大小だけで判断する前に、まず規約や料金ページのどこに手数料の情報が書かれているかを確認してください。手数料率が数値(%)で明記されている場合と、「別途手数料が発生します」とだけ書かれ、金額が個別の案件ごとに決まる場合とがあります。後者の場合は、登録前に運営へ「手数料は成約金額の何%か、いつ請求されるか(成約時か入金時か)」を直接問い合わせておくと、後から想定外の請求に驚くことが少なくなります。

固定費型と成約課金型は費用の出方が逆であるため、金額をそのまま比べても判断材料になりません。1件あたりの実質負担に置き換えて比べる考え方や具体的な計算例は、便利屋の集客代行は必要か|外注の判断基準と契約前7確認の「便利屋の集客代行は『1件あたり』に直して比べる」で扱っています。時間単価そのものの決め方から見直したい場合は、便利屋の料金設定|原価から出す時間単価と料金表7ステップで扱っています。本記事では、金額の計算ではなく、契約の相手が誰かという軸に絞って掘り下げます。

便利屋のポータルサイトで最初に確かめるのは「契約の相手は誰か」

登録前に金額よりも先に確かめておきたいのは、案件が成立したときの契約の相手が誰になるか、という点です。

集客を外注する側(便利屋が発注者)として残る明示義務や責任は、便利屋の集客代行は必要か|外注の判断基準と契約前7確認の「集客を外注しても、発注者である便利屋に残る責任がある」で扱っています。本章はその逆側、便利屋が受注者(特定受託事業者)になる場合を扱います。

顧客と直接契約する形

掲載先・登録型サービスの中には、掲載先はあくまで「ご依頼の入口」を提供するに留まり、実際の契約(見積もり・作業内容・支払い条件の合意)は、便利屋事業者と顧客本人との間で直接結ばれる形もあります。この形では、契約内容を書面で交わすかどうかは事業者自身の判断に委ねられます。

サイト側が発注者になる形(明示義務が働く場合がある)

一方で、掲載先(またはその運営会社)自体が便利屋に対して業務委託の形で仕事を発注する形もあります。この場合、フリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律、令和五年法律第二十五号)の適用が問題になり得ます。同法第2条第5項は、特定受託事業者に業務委託をする事業者を「業務委託事業者」と定義しています。

第3条第1項本文は、次のように定めています。

「業務委託事業者は、特定受託事業者に対し業務委託をした場合は、直ちに、公正取引委員会規則で定めるところにより、特定受託事業者の給付の内容、報酬の額、支払期日その他の事項を、書面又は電磁的方法(略)により特定受託事業者に対し明示しなければならない。」

同項にはただし書があり、「これらの事項のうちその内容が定められないことにつき正当な理由があるものについては、その明示を要しないものとし」、その場合は事項が定まった後直ちに明示する義務が生じます。

なお、この明示義務が生じるのは、業務委託を受ける側が「特定受託事業者」(個人であって、従業員を使用しないものなど)に当たる場合の規律です(フリーランス法第2条第1項)。加えて、義務の主体は「業務委託事業者」に該当する場合に限られます。掲載先がただの仲介役に留まり、顧客と便利屋が直接契約する形であれば、この条文の当てはめ方は変わります。「掲載サイトには一律に明示義務がある」と一般化することはできません。登録前には、規約や利用条件に「発注者は誰か」が明記されているかを確認してください。根拠となる条文はe-Gov法令検索 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律で確認できます。

便利屋のポータルサイト登録前に規約で確かめる7項目

ポータルサイト登録前に規約で確かめる7項目の確認リスト図

登録前に規約で確かめておきたい項目は、次の7つです。

これらは、国が特定デジタルプラットフォームの透明性を確保するために事業者へ求めている開示事項の型を手がかりに組み立てています。特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律(令和二年法律第三十八号、以下「透明化法」)第5条第2項第一号は、対象となる事業者に対して次のような事項の開示を求めています。1〜6は同号イ〜ヘに対応します(同号にはこのほか、省令で定める事項を指すトがありますが、内容が省令に委ねられているため、ここでは項目に立てていません)。7は同号には含まれない、実務上とくに重要な確認項目です。

  1. 拒絶の基準 ― 「当該特定デジタルプラットフォームの提供を拒絶することがある場合における拒絶するかどうかを判断するための基準」(同号イ)。登録時の審査で掲載を断られることがあるのか、その基準はどこに書いてあるかを確認します。
  2. 併せて購入・利用を求められるものの内容 ― 「自己の指定する商品若しくは権利を購入すること又は自己の指定する他の役務の有償の提供を受けることを要請する場合におけるその内容及び理由」(同号ロ)。有料オプションへの誘導があるかどうかです。
  3. 表示順位を決める主要な事項 ― 「一般利用者(略)が検索により求める商品等に係る情報(略)に順位を付して表示する場合における、当該順位を決定するために用いられる主要な事項(商品等提供利用者からの当該特定デジタルプラットフォーム提供者に対する広告宣伝の費用その他の金銭の支払が、当該順位に影響を及ぼす可能性がある場合には、その旨を含む。)」(同号ハ)。有料枠が上位表示に効くかどうかは、この括弧書きが示すとおり開示対象そのものです。上位表示の条件が有料枠に限られるのか、実績や評価も反映されるのかを確認します。
  4. データの取得・使用条件 ― 「当該特定デジタルプラットフォーム提供者が商品等提供データ(略)を取得し、又は使用する場合における当該商品等提供データの内容及びその取得又は使用に関する条件」(同号ニ)。問い合わせ内容や顧客情報がどう扱われるかです。
  5. 自分のデータを取得できるか ― 「商品等提供利用者が当該特定デジタルプラットフォーム提供者の保有する商品等提供データを取得し、又は(略)他の者に提供させることの可否並びに(略)方法及び条件」(同号ホ)。案件履歴などを自分で持ち出せるかどうかです。
  6. 苦情・協議の窓口 ― 「商品等提供利用者が当該特定デジタルプラットフォーム提供者に対して苦情の申出又は協議の申入れをするための方法」(同号ヘ)。表示のミスや誤請求があったとき、どこに連絡すればよいかです。
  7. 解約時の扱い ― 解約条件そのものは、透明化法が求める開示事項の型(イ〜ヘ)には含まれません。ただし同法第5条第4項は、特定デジタルプラットフォーム提供者が提供条件の変更や提供の全部の拒絶を行う場合に、当該行為を行う日以前の、経済産業省令で定める日までに、あらかじめ理由等を開示するよう求めています。これとは別に、同条第3項は、提供条件によらない取引の実施の要請や、継続利用者への提供の拒絶(全部の拒絶を除く)などを行うときに、その都度、理由等を開示するよう求める規定です。いずれの項にも、開示により一般利用者の利益を害する場合など、省令で定める場合は開示を要しないとするただし書があります。また、いずれも経済産業大臣の指定を受けた特定デジタルプラットフォーム提供者に課される規律であり、指定を受けていない事業者に当然に適用されるものではありません。解約の申請方法・違約金の有無・残存する情報の扱いは規約の別項で確認し、記載がなければ、この規定の対象に当たる指定事業者かどうかも含めて運営へ直接問い合わせてください。

透明化法第4条第1項は、次のように定めています。

「経済産業大臣は、デジタルプラットフォームのうち、(略)政令で定める事業の区分ごとに、その事業の規模が(略)政令で定める規模以上であるものを提供するデジタルプラットフォーム提供者を、(略)指定するものとする。」

つまり、この開示義務が法律上当然に働くのは、指定を受けた一定規模以上の事業者に限られます。便利屋向けの掲載サイトがこの指定を当然に受けているとは限りません。本記事では、この開示事項の型を「登録前に自分で規約に当てて確かめるチェックリスト」として活用することをおすすめします。条文の全文は、e-Gov法令検索 特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律で確認できます。

規約に書かれていないときの問い合わせ文例

規約や料金ページに記載がない項目は、登録前に運営へ次のような一文で確認すると、回答をもらいやすくなります。番号は、前段の確かめる7項目と対応しています。電話ではなく、フォームやメールなど回答が記録として残る手段で問い合わせておくと、後から確認しやすくなります。

  1. 拒絶の基準について:「掲載をお断りする場合の審査基準を教えていただけますか。」
  2. 有料オプションについて:「有料のオプションプランへの加入は必須でしょうか。」
  3. 表示順位について:「検索結果の表示順位は、掲載期間や実績以外に、広告宣伝の費用の有無によって変わりますか。」
  4. データの扱いについて:「問い合わせいただいたお客様の情報は、御社でどのように保管・利用されますか。」
  5. 自分のデータの持ち出しについて:「これまでの案件履歴を、退会時にこちらで受け取ることはできますか。」
  6. 苦情・問い合わせ窓口について:「表示内容に誤りがあった場合、どちらに連絡すればよいですか。」
  7. 解約条件について:「解約時の違約金の有無と、解約後にデータがどう扱われるかを教えてください。」

便利屋のポータルサイト経由の案件は4つの欄で記録する

登録した掲載先を続けるか、減らすか、やめるかを感覚ではなく数字で決めるために、4つの欄を記録することをおすすめします。

  1. 配信された件数 ― その月に何件の案件情報が届いたか。
  2. 辞退した件数 ― 対応エリア外や、条件が合わず断った件数。
  3. 成約した件数 ― 実際に契約(または見積もりの合意)まで進んだ件数。
  4. 見積もり・やり取りにかかった作業時間 ― 成約に至らなかった案件も含め、対応にかけた時間の目安。

記録欄の記入例

言葉だけでは分かりにくいため、架空の数値による1か月分の記入例を示します(実在する登録者の実績データではありません)。

月 配信された件数 辞退した件数 成約した件数 見積もり・やり取りの作業時間
例:ある月の記録(架空) 12件 5件 3件 8時間

※上表の数値は記入イメージを示すための架空の例であり、特定の登録者の実績を示すものではありません。

この例では、配信12件のうち成約は3件で、成約率は4分の1です。辞退が多い場合は対応エリアや受付条件の設定を見直すきっかけになり、作業時間に対して成約が少ない場合は、見積もり対応そのものの効率化を検討する材料になります。数字は掲載先ごとに分けて記録し、月をまたいで並べることで、「配信は多いが辞退ばかりで手数料に見合わない」「件数は少ないが成約率が高く、単価交渉もしやすい」といった掲載先ごとの性格が、感覚ではなく推移で見えてきます。「案件が来ない月が怖くて解約に踏み切れない」という状態から、記録に基づいた判断へ切り替えるための土台になります。

便利屋の掲載ページは、見られる順番を意識して書き直す

掲載ページは、書いた順番ではなく、顧客が見る順番を意識して組み立て直すと、同じ登録料でも反応が変わります。

規約で確かめる7項目でも触れた、透明化法が求める開示事項の型のとおり、表示順位を決める主要な事項(広告宣伝の費用が順位に影響する場合はその旨を含む)が公開されている掲載先では、その記載を確認してください。有料枠の有無を含めて記載がない場合は、運営へ直接問い合わせることをおすすめします。

有料枠に頼らない部分で改善できるのは、プロフィール文の書き出し、対応エリアの明記、施工事例や作業内容の具体性です。「何でも屋の何でも」ではなく、「対応できる作業の種類」を先頭に並べ、対応エリアと連絡が取れる時間帯を早い段階で示すと、比較検討している顧客が離脱しにくくなります。

便利屋が口コミ・レビューを集めるときに越えてはいけない線

口コミやレビューは、集め方によって法律上の線を越えてしまうことがあります。

口コミや発信を人に頼んだとき、規制の対象が依頼した側になるという原則は、便利屋の集客代行は必要か|外注の判断基準と契約前7確認の「口コミや発信を頼むと、規制の対象は依頼した側になる」で扱っています。本章はQ6・Q7・Q21の設問前提まで踏み込んで、集め方の線引きを具体化します。

景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法、昭和三十七年法律第百三十四号)第5条は、事業者が「自己の供給する商品又は役務の取引について」不当な表示をしてはならないと定めています。同条第一号は優良誤認、第二号は有利誤認を禁じるものです。

料金や送客件数が自社に合うか、個別に確認したい方へ

入力内容を確認後、担当者からご連絡します。

対応地域・経験・現場余力から、案件紹介との相性を確認したい方へ

全7問。回答内容をもとに適合性を確認します。

口コミがこの規制に触れるかどうかの分かれ目は、令和5年10月1日から景品表示法違反の対象となった「ステルスマーケティング」の考え方に沿って整理できます。消費者庁のステルスマーケティングQ&Aは、次の3つの設問に対する考え方を示しています。いずれも、口コミ投稿と引き換えに割引価格やクーポン券といった価格面の優遇を提供する場合を前提とした整理であり、対価の性質や程度が変わればあてはめも変わり得る点に留意してください。

  1. サービス利用後に予約サイトの口コミ投稿を条件に割引価格で提供する場合(Q6) ― 「表示内容の決定に関与しているとはいえません。したがって、当該口コミ投稿は、通常、『事業者の表示』には当たらず、告示に違反しないと考えられます。」としつつ、口コミ投稿にあたって「星5(☆☆☆☆☆)」を付けることを条件としている場合は、「事業者は表示(投稿)の内容を決定しているといえるため、『事業者の表示』に当たると考えられます。」としています。さらに、「なお、口コミ投稿に当たって、『星5』ではなく、サービスの品質や内容、価格等の取引条件について推奨するコメントをすることが条件とされている場合も同様です。」とも述べており、星の数に限らず、投稿内容そのものを指定することが線引きの基準になっています。
  2. ECサイトでレビュー投稿を条件にクーポン券を提供する場合(Q7) ― 「Q6と同様に考えることができ、(略)通常、『事業者の表示』には当たらず、告示に違反しないと考えられます。」としています。
  3. インフルエンサーが自主的な意思で投稿する場合(Q21) ― 「事業者の依頼に応じて行うものではなく、自主的な意思に基づいて表示(投稿)を行う場合、当該投稿は『事業者の表示』に当たらないため、『PR』等と記載する必要はありません。」としています。

(上の3つの引用は原文どおりです。引用の中でさらに語を括る箇所のみ、読みやすさのため原文の「」を『』に改めています。)

これらのQ&Aを合わせて読むと、口コミの投稿を条件に割引やクーポンを提供すること自体は、通常は事業者の表示には当たらず、告示に違反しないと考えられる、とQ6・Q7で示されています。一方、Q6では、星の数(星5)や、品質・内容・価格等の取引条件について推奨するコメントをすることを条件とした場合について、事業者が表示の内容を決定しているといえるため「事業者の表示」に当たると考えられる、としています。つまり、評価の中身(星の数や推奨コメントの内容)そのものを条件にする場合は、線を越える可能性があるとされています。ただし、この整理はいずれも割引やクーポンといった価格面の対価を前提としたものであり、対価の性質や規模が変わる場合や、個別の事案の詳細によっては、あてはめが異なることもあり得ます。判断に迷う場合は、消費者庁の窓口や専門家に確認することをおすすめします。

なお、消費者庁 ステルスマーケティングは景品表示法違反となりますは規制対象について「規制の対象となるのは、商品・サービスを供給する事業者(広告主)です。企業から広告・宣伝の依頼を受けたインフルエンサー等の第三者は規制の対象とはなりません。」と明記しています。責任の所在は依頼する側(便利屋事業者自身)にある、という点を押さえておいてください。各設問の詳細は消費者庁 ステルスマーケティングに関するQ&Aで確認できます。

便利屋のポータルサイト経由で知った顧客に、自分から連絡してよいか

掲載先経由で一度やり取りした顧客に、後日自分から連絡してよいかどうかは、規約の定めと個人情報保護法の両方が関わる問題です。

掲載先の規約には、「サイトを介さずに顧客と直接契約すること」を制限する条項が置かれている場合があります。これは掲載先が案件の仲介によって収益を得ている以上、想定される制限です。まずは登録した掲載先の利用規約に、直接契約の可否についてどう定められているかを確認してください。

規約上の制限とは別に、個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律、平成十五年法律第五十七号)第18条第1項は、次のように定めています。

「個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、前条の規定により特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならない。」

案件のやり取りの中で得た氏名・住所・連絡先を、当初の目的(その案件への対応)を超えて、別の営業目的で利用する場合は、本人の同意が必要になる場面があります。「一度やり取りした顧客だから、また連絡してもよいだろう」と自己判断せず、規約の定めと取得したときの利用目的の両方を確認してから連絡することをおすすめします。根拠となる条文はe-Gov法令検索 個人情報の保護に関する法律で確認できます。

便利屋のポータルサイトが向く場面・向かない場面

ポータルサイト・登録型サービスは、便利屋にとって万能の集客手段ではありません。向く場面と向かない場面を分けて考えると、使い方を絞りやすくなります。

向いているのは、開業したばかりで実績や口コミがまだ少なく、まずは「1件目」の実績をつくりたい場面です。地域掲示板型や登録型の無料枠を使い、成約したら丁寧な対応で口コミにつなげる、という使い方が合っています。

向いていないのは、すでに一定数のリピート顧客がいて、価格競争に巻き込まれることの方がデメリットとして大きい場面です。この段階でも、選択肢は「使うのをやめる」の一択ではありません。登録型サービスへの依存度を下げつつ、地域掲示板型の無料枠だけ残す、対応エリアや受付条件を絞って辞退件数を減らす、といった「使い方を変える」判断もできます。掲載先への依存を減らしながら手数料のかからないチャネルの比率を上げていく考え方は、便利屋 集客を安定させる9つの集客チャネル|単発を継続案件への「『使わない』ではなく『使い方を変える』」で扱っています。

便利屋が掲載をやめる・減らすときの手順

「案件が来ない月が怖い」という感覚だけで登録を続けるのではなく、記録に基づいて手順を踏んで判断することをおすすめします。

見直しのサインとなりやすい状態を、5つ挙げます。

  1. 配信件数に対して辞退件数が慢性的に多い(エリアや条件が合っていない)。
  2. 成約しても、手数料を差し引いた後の金額が、他のチャネル経由の案件より明らかに低い。
  3. 同じ案件に何社も見積もりが並び、金額を下げないと選ばれない状態が続いている。
  4. 成約した顧客からのリピートや紹介にほとんどつながっていない。
  5. 見積もり対応にかかる時間が、成約件数に対して割に合わなくなっている。

これらに複数当てはまる場合は、いきなり解約するのではなく、まず掲載プランを下げる、または対応エリアを絞るところから試すと、リスクを抑えながら見直せます。解約に踏み切る場合は、規約で確かめる7項目のうち確認した解約条項(違約金の有無、退会後のデータの扱い)を先に確認してから手続きを進めてください。

空き枠自体を埋める打ち手を先に試したい場合は、便利屋が暇で仕事ないときの原因診断と空き枠を埋める7手順で診断の手順を扱っています。

便利屋のポータルサイトと他の集客の組み合わせ方

ポータルサイト・登録型サービスは、単独で使うよりも、他の集客チャネルと組み合わせたときに効果を発揮しやすくなります。

自社のホームページや地図対策(Googleビジネスプロフィールなど)を並行して整えておくと、掲載先経由で名前を知った顧客が、後から指名検索で直接問い合わせてくれるケースが生まれます。集客チャネル全体の分類と、それぞれの役割分担については、便利屋 集客を安定させる9つの集客チャネル|単発を継続案件への「便利屋の集客チャネル全9種を『資産になるか』で分類する」で扱っています。自社サイト側の作り込みについては、便利屋のホームページ集客|問い合わせが来る9手順と載せる項目で手順ごとに整理しています。また、掲載先経由で獲得した顧客の名簿を整理しておくと、次のリピートにつながりやすくなります。名簿を使った仕組みは、便利屋 集客を安定させる9つの集客チャネル|単発を継続案件への「単発を『また呼ばれる』へ変える4つの仕組み」で扱っています。

便利屋のポータルサイト以外に、案件を定額で受け取る道もある

掲載先へ登録して露出や案件配信を買うほかに、月額の定額料金と引き換えに案件を受け取る道もあります。

本記事を制作しているつむぐ屋も、便利屋向けにこの型のサービス(shokunin.tsumuguya.org)を運営しています。掲載先の手数料や表示の書き方を点検する立場である以上、当社(つむぐ屋)自身も有料で案件を届けている側であり、本記事で挙げた確認項目と同じ基準で点検されるべき対象であることを、ここで明らかにしておきます。

この型を検討する場合も、契約の相手が誰か(本部か、顧客本人か)を必ず確認してください。当社の場合は、月額固定の料金で対応地域・得意分野に合う案件をご案内し、顧客との契約主体は職人本人としています。料金と提供内容は改定されることがあるため、最新の内容は公式ページでご確認ください。仕組みと料金の考え方は、便利屋の集客代行は必要か|外注の判断基準と契約前7確認の「便利屋が案件そのものを受け取る形(月額固定の集客支援)という選択肢」で詳しく扱っています。

供給件数は、客観的な有効案件条件を満たす案件の目安です。売上・成約・無条件の最低件数を保証するものではありません。

本部・定額型を含めた、フランチャイズ本部の見極め方(費用を「加盟金」ではなく「総額」で比べる考え方、契約書で確認すべき条項など)は、便利屋フランチャイズの選び方|失敗しない5つの見極めの「見極め4|費用は『加盟金』でなく『総額』で比べる」「見極めの総仕上げ|契約書で必ず確認したい3つの条項」で詳しく扱っています。

便利屋のポータルサイト選びで使う言葉の早見表

用語の意味を混同しないよう、早見表としてまとめます。

用語 意味 費用の出方の目安
掲載型 検索結果やディレクトリに情報を載せる 掲載料・月額の固定費用が中心
登録型 条件に合う案件が個別に配信される 成約時の手数料・紹介料が中心
地域掲示板型 地域を絞った掲示板・クラシファイド形式 無料枠を設けている場合がある
専門特化型 特定の作業ジャンルに絞ったサイト サイトごとに異なる
本部・定額型 本部が定額料金と引き換えに案件を配信 月額固定と紹介手数料の有無は仕組みにより異なる

型が跨る場合の見方は、主軸=費用の出方/補助=場の性格です。地域限定・ジャンル限定という性格は、費用の出方で型を決めた後の補足として捉えてください。

まとめ|便利屋のポータルサイトは「型」と「規約」で決める

料金や送客件数が自社に合うか、個別に確認したい方へ

入力内容を確認後、担当者からご連絡します。

対応地域・経験・現場余力から、案件紹介との相性を確認したい方へ

全7問。回答内容をもとに適合性を確認します。

  1. まず、いま使っている(または検討している)掲載先が、5つの型(掲載型・登録型・地域掲示板型・専門特化型・本部・定額型)のどれに当たるかを確認する。
  2. 登録前に、契約の相手が顧客本人か掲載先自身かを確認する。
  3. 規約で、拒絶の基準・有料オプションの内容・表示順位の主要な事項(広告宣伝の費用が影響するかを含む)・データの取得条件・自分のデータの持ち出し可否・苦情の窓口・解約条件の7項目を確認する。
  4. 口コミを集めるときは、評価内容そのものを指定しない。
  5. 経由で知った顧客への連絡は、規約と利用目的の両方を確認してから行う。
  6. 配信件数・辞退件数・成約件数・作業時間の4つを記録し、続ける・減らす・やめるを数字で判断する。

便利屋のポータルサイト・登録型サービスは、手数料の金額だけを見て良し悪しを判断するのではなく、「型」と「規約」の2つの軸で見極めることが大切です。これらを踏まえたうえで、他の集客チャネルとの組み合わせ方や、フランチャイズ本部という選択肢についても、あわせて検討してみてください。

よくある質問

登録前によく寄せられる質問をまとめました。

Q. 便利屋のポータルサイトには登録すべきですか。

A. 開業直後で実績や口コミが少ない段階では、地域掲示板型や登録型の無料枠を使って「1件目」の実績をつくる場面で向いています。一方、すでにリピート顧客がいる段階では、依存度を下げる判断も選択肢になります。

Q. 手数料はどのくらいかかりますか。

A. 型によって出方が異なり、掲載型は掲載料・月額の固定費用が中心、登録型は成約時の手数料・紹介料が中心です。金額は掲載先ごとに異なるため、登録前に規約と料金ページを確認してください。

Q. 掲載は無料でできますか。

A. 地域掲示板型など、無料枠を設けているサービスもあります。無料枠と有料プランで表示順位や配信件数の目安が変わることが多いため、違いを確認してから登録してください。

Q. 登録して案件は来るのでしょうか。

A. 案件が届くかどうかは、型・プロフィールの充実度・対応エリアの設定などによって左右されます。見られる順番を意識してページを整える章で触れたように、顧客が見る順番を意識してプロフィールを整えることが、有料枠に頼らずできる改善策です。

Q. やめるときに違約金はありますか。

A. 掲載先によって定めが異なります。規約で確かめる7項目のうち解約条件に該当する部分を確認し、明記がない場合は運営に直接問い合わせてください。

Q. 複数のポータルサイトに同時に登録してもよいですか。

A. 複数登録の可否は掲載先の規約によって定めが異なります。登録前に規約で確かめる7項目を、掲載先ごとに個別に確認してください。

Q. 個人事業主でも登録できますか。

A. 個人事業主でも登録できる掲載先はあります。契約の相手は誰かの章で触れたように、業務委託契約を結ぶ形の掲載先では事業者としての登録要件が定められている場合があるため、登録前に規約を確認してください。

Let's share this post !

Author of this article

TOC